国際宇宙ステーション(ISS)にぬれタオルで壁を作り、飛行士が浴びる放射線量を約4割抑えることに放射線医学総合研究所(千葉市)などのチームが成功した。水による放射線の遮蔽効果を宇宙空間で実証したのは初めて。長期滞在や将来の火星飛行の安全性向上に役立つという。 宇宙は太陽や銀河に由来する発がん性のある放射線が飛び交っており、ISSの飛行士は地上の100倍以上の線量を浴びる。地球の磁気圏を飛び出す火星飛行では、さらに線量が大幅に増えるため、新たな防護策が不可欠になっている。 水は優れた遮蔽材として注目されてきたが、液体のため取り扱いが困難で、宇宙での実験は行われていなかった。 同研究所は、飛行士が体を拭くためISSに大量に常備されているぬれタオルに着目。ロシア、チェコの研究機関と共同で2010年、未開封のぬれタオルを厚さ7~8センチに重ねた壁をロシア棟内に設置し、効果を調べた。 その結果、通常