―JALOPNIK― フィンランドのアーチスト、ミモザ・ペールは常日頃こう思っていたにちがいありません。 ――この世のモニュメントは男性自身であふれていると。 彼女の言い分はもっともです。でもそれだからといって、ヘルシンキの目抜き通りを週に三度、彼女の体から遊離した巨大なヴァギナタクシーを走らせて対抗するのは、われわれの理解の範疇にはないものと言わざるを得ません。 いろいろな意見はあって然るべきでしょう。議論がなされ、その結果は結局、雄々しく反り立った男性器が好戦的なイメージを表すのに対し、女性器ゆえ反戦というテーマを具象化したもの、といったありふれた結論に収束されるかもしれません。なんといっても彼女はバイクタクシーの漕ぎ手である前に、アーチストなのですから。 有史以来、男性器は彫像においても臆さず露わにされてきました。女性が女性器をシンボライズすることを止める理屈はありません。 ミモザ・