長野県長野市稲里町(いなさとまち)中氷鉋字(なかひがのあざ)大北(おおきた)○○番-。大手パチンコ店がある住所だ。「初めて来店される客には分かりづらい」と店の関係者も頭を抱える。長野市内には「大字(おおあざ)」や「小字(こあざ)」、「通称名」とさまざまな住所表記が混在する。このため、県外出身者は「長野の住所は分かりづらい」とこぼす。解決の糸口はないのか、探ってみた。(太田明広) 市役所の住居表示係によると、所在地を示す際に(1)小字は省略する(2)大字のうち「長野」、「南長野」、「鶴賀」の3つは自治会の名称を後につける-などの決まりが定められている。住民票は、この基準に基づいて作成される。 だが、実際には市の基準に合わない事例も少なくない。特に官公署や事業所の所在地に関しての表記にみられる。例えば、県庁の所在地は「長野市大字南長野字幅下692番2」と登記簿やホームページ、職員の名刺などに表