気鋭の映画監督ギレルモ・デル・トロによる意欲作のレビューです。 結構ネタバレします。 あらすじ 素朴で不思議な絆 おとぎ話という救い 不思議な生き物とストリックランド 秀逸な脇役たち 映像の美しさ おわりに あらすじ 冷戦下のアメリカ。 天涯孤独な掃除婦のイライザは、物心つく前から首筋に大きな引っかき傷の跡がある。 耳は聞こえるが言葉を話せない彼女は、手話で会話し、友人と言えば年老いた隣人と、掃除婦仲間のゼルダくらいと言う静かな暮らしをしている。 しかしある日、職場である政府の研究所に、生きている何かが研究対象として搬入されてくる。 その生き物は、大半の時間を水の中で過ごしているものの、人型をし、知能や意思を持っているように見えた。 ソ連との宇宙開発競争に不思議な生き物の能力を役立てたいというストリックランドは、生体解剖を試みようとしていた。 ストリックランドの意図を知ったイライザは、人生