韓流ファンで、「古家(ふるや)さん」の名前を聞いたことのない人は少ないだろう。ドラマ「冬ソナ(冬のソナタ)」ブームの真っ最中、日本から千人のファンが訪れた韓国ツアーでのペ・ヨンジュンさんのファンミーティング。「BIGBANG」や「KARA」「BTS」など、K-POPグループが日本デビューした際のショーケース。こうした韓流エンタメの日本進出の際の重要イベントのほとんどで、MCとして場を支えてきたDJの古家正亨(まさゆき)さんのことだ。そんな古家さんが、これまで目にしてきた韓流ブームの裏側や聴衆の変化、日韓のはざまで感じてきたジレンマまで、率直に語ってくれた。 ――昨年12月、自伝的エッセー『K-POPバックステージパス』(イースト・プレス)を出されました。K-POPへの思いをつづっていますが、本を出すことには迷いもあったそうですね。 「僕はもともと肩書に『ジャーナリスト』と入れていたんですが