前回の本コラムで、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・M・クリステンセン教授が提唱したマーケティング理論、「片付け理論」を紹介した。本記事では、ルイ・ヴィトンやグッチといった高級ブランドについても、この理論が有効なのか、考察してみた。 (読了時間:約6分) Text by Yuya Oyamada Photograph by Timur Emek / Getty Images 前回、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・M・クリステンセン教授が提唱した「片付け理論」を紹介した(一般的には「ジョブ理論」と翻訳されているが、「ジョブ」という用語の意味するところがマーケティング用語に親しんでいない人にはイメージしづらいため、ここでは「片付け理論」と呼んでいる)。 この理論では商品が買われる理由を、顧客の内面に求めない。顧客が抱えている「用事(ジョブ)」を解決するために、その商品は「