調布市教委と都教委は23日、同市立第七中学校(吉岡俊幸校長、八雲台2丁目)に分教室を開設、不登校の生徒を支援する不登校特例校とすると発表した。学校近くの市の施設に不登校生だけが学ぶ「分教室」を設け、特別なカリキュラムを行う。不登校の子どもが増える中、学校新設などの対応は難しく、既存の学校を利用した分教室という方法で運営する。今年4月開校の予定で、分教室型は国内で初めてという。 不登校特例校は2005年に制度化された。義務教育の不登校の子どもの支援をめぐって、16年12月に「教育機会確保法」ができ、自治体などによる不登校特例校の整備を促す条文が盛り込まれた。 都内にある公立の特例校は、04年4月に開校した八王子市の高尾山学園の1校。学校新設は時間がかかり、自治体の費用負担も大きいため、都教委は既存施設を使う「分教室」型で運営を始め、将来的に学校に移る方式を支援する。第七中もこうした移行を前提
子育てに関する福祉施策の情報を保護者に確実に届けようと、東京都が3月末までに公立小学校の保護者向けに、生活困窮世帯が受けられる支援策など福祉の窓口につながる情報を盛り込んだ冊子を配布することが23日、分かった。福祉行政と教育現場が縦割り行政の壁を超えて連携する、ありそうでなかった取り組みといえ、今後の推移が注目される。 都によると、平成28年度に実施した調査で、一人親世帯の保護者のうち、6・4%が申請さえすれば受けられる「児童育成手当」を「知らない」と回答。一定所得以下の世帯に塾費用や受験料を無利子で貸し付ける制度についても、全世帯の31・1%に知られておらず、都が豊富に用意する福祉施策の認知度の低さが浮き彫りになった。 一方で、小中学校、高校の保護者の8割以上が「学校からのお便り」で子供に関する施策の情報を受け取っていることも判明。学校を、福祉情報を提供するプラットホーム(基盤)とし、必
東京都杉並区は介護や子育て、就労などの支援機能を1カ所にまとめた福祉拠点を3月に開く。消費者トラブルの対応窓口や住民の集会所も併設し、将来は区内最大級の特別養護老人ホーム(特養)も設ける。区民の困りごとに担当者が縦割りで対応するのではなく、包括的に支援できるのが特長。いわば福祉の総合窓口で、全国でも珍しい取り組みという。荻窪駅近くの公務員宿舎などの跡地に複合拠点「ウェルファーム杉並」を開設する
汚れたおむつ、さまざまな難しい問題、学校までの送り迎え──シングルファーザーたちも、多くの心配事を抱えている。その父親たちに、さらに追い打ちをかけるような事実が明らかになった。 カナダ・トロント大学の研究チームが子供を持つ男女およそ4万人を対象に行った調査の結果、シングルファーザーが早死にするリスクはシングルマザーやパートナーと一緒に子育てをしている人たちと比べ、2倍以上高いことが分かった。 公衆衛生に関する専門誌、ランセット・パブリック・ヘルスに掲載された調査結果によれば、研究チームはシングルファーザー871人とシングルマザー4590人、パートナーのいる父親1万6341人、パートナーのいる母親1万8688人を対象に、11年間にわたる追跡調査を行った。その際、25歳未満の実子または養子1人以上と暮らすパートナー不在の成人を「片親(ひとり親)」とした。 調査期間中に死亡したシングルファーザー
昨年11月、大阪府寝屋川市でバケツにコンクリート詰めにした4人の乳児の遺体が見つかった事件は、世間に大きな衝撃を与えた。母親である容疑者は「ずっと悩んでいて相談できる人がいなかった」と警察に話したという。 生まれたばかりの乳児がトイレやゴミ捨て場などに遺棄される事件は、各地で後をたたない。今年1月31日には、自宅トイレで産んだ乳児の遺体を押し入れに遺棄したとして、大阪府箕面市の19歳の少女が死体遺棄の疑いで逮捕された。少女は祖父母と母親と暮らしていたが、妊娠を知らせていなかったという。 厚生労働省のデータによれば、児童虐待死で最も多いのは、0歳0か月0日、つまり生まれたその日に亡くなってしまう赤ちゃんで、加害者の9割は母親であるという。そしてそのほとんどが妊婦検診未受診で、母子手帳未交付の状態だ。
「障害者・高齢者3Dプリンタ・ファクトリー」製作始める 日常の不便さを改善するグッズを自分で作ろう--。障害者らでつくる一般社団法人「障害者・高齢者3Dプリンタ・ファクトリー」(高松市)が、3Dプリンターを使ってハンディキャップのある人の暮らしを助ける補助器具の製作を始めた。将来は障害者の収入にもつなげたいと考える代表の三野(さんの)晃一さん(60)は「障害者が100人いれば100人が異なる不便さを抱える。ちょっとしたアイデアで、バリアー(障害)をバリュー(価値)に変えていきたい」と話す。 三野さんは2014年から、当時勤めていた障害者就労支援事業所でクラウドファンディングを使い資金を集め、地元の養護学校で出た要望などを基にプラスチック樹脂でグッズ製作を始めたという。その後、昨年10月、障害を持つ仲間を中心に約10人でファクトリーを設立した。
若者の自殺が減らない。 他の年代は2000年前後をピークに改善傾向にあるが、若者層は様子が違う。昨年は20歳未満の自殺者が556人と、前年に比べて7%増えた。20代も減り方が鈍く、なお年間2千人を大きく上回る。先進国の中で日本の若者の自殺率は高く、深刻な状況にある。 考えられる原因は、家庭内の不和、進学・就職の失敗、いじめ、性の問題と多岐にわたる。学校、自治体、警察などの連携を、さらに強めてほしい。 難しいのは、本人が周囲になかなか悩みを打ち明けないことだ。国立大生の過去23年分の自死事例を分析した福島大の内田千代子教授によると、ほとんどが学内の相談窓口も、精神科の医者も訪れていなかった。 追いつめられたときに助けを求めようと思えるかどうかが、生死を大きく左右する。 その観点から「SOSの出し方教育」に注目したい。 先がけは東京都足立区だ。9年前から特別授業「自分を大切にしよう」を小中高で
国立成育医療研究センター ソーシャルワーカー。社会福祉士・精神保健福祉士。医療連携・患者支援センター、小児がん相談支援センターにて、医療福祉相談を担う。 病院と地域、病院と学校をつなぐ役割 ―小児がんのサポートにおいて、ソーシャルワーカーが果たす役割はどのようなものでしょうか? 病気になると、それに伴ってご本人にもご家族にも心配なことや不安が起こってきます。そんなときに、患者さんやご家族のご相談にのりながら、どのようにしていけば良いのかを一緒に考えていくのがソーシャルワーカーの役割です。 特に小児がんに関して言うと、例えば診断されたばかりの時、親御さんは医療費のことを心配されます。ですから、医療費に関しては早めにご案内をするようにしています。 国立成育医療研究センターのこどもサポートチームでは、看護師が最初にご家族から聞き取りをして、その後に私たちソーシャルワーカーが関わります。ご家族の状
東京都目黒区は2018年度から、園庭が十分に確保できずに子供の屋外活動が難しい保育所を対象に、徒歩圏外にある敷地の広い公園に子供を車で送迎する事業を始める。都内では待機児童を解消するために保育所の整備が進んでいるが、都市部では園庭のない保育所も目立つ。区が交通手段を用意し、保育環境の改善につなげる。区の18年度予算案に関連経費640万円を盛り込んだ。国の補助金も活用する。区が18人程度乗れる専
板橋区は30日、児童相談所(児相)と子育て支援業務の機能をあわせた「(仮称)板橋区子ども家庭総合支援センター」を、平成33年度中に開設すると発表した。児童福祉法の改正により、23区による児相設置が認められたもので、区は整備費用として、新年度予算案に約1億8560万円を計上した。 開設予定の同支援センターは地上3階建てで、延べ床面積は約2500平方メートル。子育てに関する総合相談窓口だけでなく、虐待された子供らを一時的に保護する一時保護所(定員30人程度)なども設ける。 同区によると、区内の児童虐待通告受理件数は24年度に220件だったのが、25年度以降、年間300件を超える事態が継続。区は同支援センターの整備により、効果的な対応を目指したい考えだ。 坂本健区長は同日の会見で、「児童虐待は問題が大きくなる前にいかに把握するかが一番重要」と指摘したうえで、子育て支援業務も兼ねる支援センターにつ
発達障害、療育グッズで支援=元編集者が販売サイト開設 発達障害がある子どもの療育グッズ販売サイト「トビラコ」を立ち上げた平野佳代子さん=12日、東京都大田区 発達障害の子どもやその家族を支えようと、東京都内の元編集者が療育グッズの販売サイトを立ち上げた。周囲の理解をなかなか得られず孤立しがちな発達障害児だが、「安心して暮らすための手伝いができれば」と新たな商品の開発にも取り組んでいる。 【特集】発達障害の夫、カサンドラな妻 子育て雑誌の編集者だった平野佳代子さん(60)が運営するサイト「トビラコ(https://tobiraco.co.jp)」では、生活や学習の場で役に立つ道具を掲載している。姿勢良く座ったり正しく鉛筆を持ったりできるデスクマットや、服をきれいに畳める練習ボードなど、特別支援学校の教員らの助言を得て開発した商品を販売。平野さんは「小さな達成感の積み重ねが成長につながる」と話
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