東京都の「青少年問題協議会」がまとめている、ひきこもりの若者向けの支援策の案をめぐり、当事者や家族でつくる団体が、高齢化する当事者の実態を反映していないなどとして、見直しを求める要望書を30日、小池百合子知事あてに出した。 都の協議会は「ひきこもり、ニート、非行等の社会的自立に困難を有する若者に対する相談支援」について都から諮問を受け、大学教授などの委員でつくる専門部会で議論し、支援策に関する案を固めた。若者や家族が悩みの相談先を探せるポータルサイトを作ったり、思いを伝えるのが苦手な若者にかわって各支援機関が何に悩んでいるか「代弁」する仕組みを模索したりする内容。ただ、支援策の案に引用されているひきこもりの統計は、11年前の調査で、15~34歳のみを対象としている。 これに対し、「KHJ全国ひ…
ハンセン病患者の隔離政策で患者家族も差別を受けたとして、療養所に入所していなかった女性(1994年に死亡)の遺族が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁松江支部(栂村(つがむら)明剛裁判長)は24日、遺族側の控訴を棄却した。1審・鳥取地裁判決は家族への差別解消を怠った責任が国にあるとしたが、同支部は「国に差別解消の法的義務はない」と判断した。 遺族は、94年に85歳で死亡した女性の五男(72)(鳥取県北栄町)。 らい予防法(96年廃止)の隔離政策を巡っては、国の責任を認めた2001年の熊本地裁判決後、国と全国原告団協議会が01、02年に基本合意書を締結。国が患者や元患者に一時金を支払うことになった。ただ、家族に関しては「差別を受けていたとまでは言えない」として救済していなかった。 1審判決は、らい予防法が「ハンセン病は強烈な伝染病という誤解を与えた」と指摘。患者の子どもへの差別の実例
障害者が在宅のまま、テレビ電話を通じて、介護・認知症予防のために高齢者をカウンセリングする――。こんな取り組みに、愛知県東海市が今年度から協力する。障害者の就労を促すのが狙いで、市がカウンセラー養成講座の受講料を事実上、全額補助する。障害者が働けるようにと、難病で体をほとんど動かせない市在住の佐藤仙務(ひさむ)さん(27)らが考えたビジネスモデルという。 佐藤さんは脊髄(せきずい)性筋萎縮症で、左手の親指などがわずかに動くだけだ。だが、話すことはでき、指先や視線でパソコンを操作し、電話やメールを駆使する。ホームページや名刺などの制作会社の社長として、障害者を雇用している。 特別支援学校を卒業後、就職できず挫折を繰り返した。傷つく言葉を浴びたこともあったという。それでも「自分で働いて、稼いでみたかった。自分が一歩踏み出せば、ほかの障害者も働けるようになれるのではないか」。19歳で、同じ難病と
大阪・心斎橋に、発達障害の当事者や支援者らが集うバーがある。「金輝 発達障害アートカフェバー」。店長の橋際義さん(33)が2年ほど前に開いた店だ。自らも発達障害と診断されたことがある橋際さん。「当事者が社会とつながることができる場所」を目指し、カウンターに立つ。 会話を楽しむ人や、1人静かにグラスを傾ける人--。6月下旬の蒸し暑い夜、10席ほどのカウンターや4人掛けのソファは満席になり、それぞれがリラックスした様子で、思い思いの時間を過ごしていた。 橋際さんはかつてIT関連企業に勤めていた。しかし、仕事がうまくいかず、思ったことをすぐ上司に言って… この記事は有料記事です。 残り682文字(全文959文字)
顔にアザや変形などの症状を抱える人の「見た目問題」について、東京都墨田区議会は29日、区民への啓発などを求めるNPO法人の陳情を全会一致で採択し、国に施策を促す意見書を可決した。NPO法人によると、この問題で地方議会が陳情を採択するのは初めてとみられる。 今月7日付で陳情を提出していたのは、同区を拠点に活動しているNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」(MFMS)。陳情によると、「見た目問題」の当事者は他人から侮辱されるなどして自己肯定感を低下させ、就職や結婚でも困難を経験することが多いと指摘。区に啓発活動や実態把握を求めたほか、政府や国会に助成制度の創設や就職差別禁止などの施策を求める意見書を出すよう要請した。 同議会企画総務委員会は15日、3人の当事者から意見聴取。区議からも「自殺者が出るほどの問題。人権問題として取り組んでほしい」などの発言が相次いだ。
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