津市の障害者施設で、複数の職員が知的障害があるデイサービスの利用者に対し、暴言を浴びせるなどの虐待をしていたことが施設を運営する団体への取材で分かった。三重県は複数回にわたって身体的・精神的虐待があったと判断し、障害者総合支援法に基づき、運営する団体に再発防止を求めた。施設は2日夜、利用者の家族らへの説明会を開き、問題の経緯などを説明し、謝罪したという。 施設は、津市のNPO法人「おもいやり介護の会つくしんぼ」が、津市一志町庄村で運営する「つくしんぼの家一志」。自閉症などの利用者がデイサービスに訪れており、県によると、今年2月までに複数の利用者に対し複数回の虐待が確認された。けがはなかった。団体側は虐待を受けた利用者は20代の男女で、虐待を行ったのは30代と40代の女性職員と明かした。 団体などによると、男性利用者に対しては「うそつき」「泥棒」などと繰り返し、暴言を吐いた。女性利用者に対し
大阪府北部で最大震度6弱を観測した地震は、自力で逃げることが困難な要支援者の安否確認の課題を浮き彫りにした。国は要支援者の名簿作成を市町村に義務づけているが、名簿を活用できたのは一握りだった。名簿を基に要支援者の見回りをする民生委員などをあらかじめ決める「個別計画」の策定も、担い手不足で進まない現状が改めて明らかになった。「名簿をいつ、どんな時に使うかという明確な規定はなかった」。地震で2人が
国土交通省「介護者なき後」調査の結果概要※脊髄損傷者の入居(所)実績は、調査途中で質問項目に追加されたため、回答数はグループホーム613、入所施設265 障害者が暮らす全国のグループホーム(GH)と入所施設を対象に、国土交通省が寝たきりで意思疎通も困難な最重度の「遷延(せんえん)性意識障害者」の入居(所)状況を調査したところ、回答したGHで約0.4%、入所施設で約23.3%しか受け入れ実績がなかった。交通事故では重い後遺症を負った子を親が介護するケースが多く、「親なき後」の介護のあり方が家族の間で喫緊の課題になっている。介護者のいない障害者の居場所として期待されるGHなどが受け皿となり得ていない実態が浮かんだ。【江刺正嘉】 調査では、たんの吸引など医療的ケアに対応できるGHなどが少ないことが重度後遺障害者の受け入れを阻んでいる状況も判明。そのため同省は今年度から、重い後遺症がある交通事故被
顔にアザや変形などの症状を抱える人の「見た目問題」について、東京都墨田区議会は29日、区民への啓発などを求めるNPO法人の陳情を全会一致で採択し、国に施策を促す意見書を可決した。NPO法人によると、この問題で地方議会が陳情を採択するのは初めてとみられる。 今月7日付で陳情を提出していたのは、同区を拠点に活動しているNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」(MFMS)。陳情によると、「見た目問題」の当事者は他人から侮辱されるなどして自己肯定感を低下させ、就職や結婚でも困難を経験することが多いと指摘。区に啓発活動や実態把握を求めたほか、政府や国会に助成制度の創設や就職差別禁止などの施策を求める意見書を出すよう要請した。 同議会企画総務委員会は15日、3人の当事者から意見聴取。区議からも「自殺者が出るほどの問題。人権問題として取り組んでほしい」などの発言が相次いだ。
大阪府北部地震で、家屋の外観は被害が目立たないものの、内部は家財などが散乱している被災者の事例がクローズアップされている。多くは独居などの高齢者とみられ自力で片付けが困難だが、被災状況が一見して分かりにくく支援の手が行き届いていない。都市ならではの地域コミュニティーの希薄さも影響しており、兵庫のボランティア団体は「見えない被災者」に寄り添うため実態把握に動きだしている。 「きれいになったわ。逃げ道ができて万歳」 地震後で最初の週末だった今月23日、同府高槻市の女性(82)は物が片付いた自宅内を見て、ほおを緩ませた。 自宅は同市南部にある府営団地の1階。建物に大きな被害はなかったが、室内は玄関や廊下にガラスが飛び散り、重い冷蔵庫や戸棚の場所がずれていた。 精神疾患を抱えた長男と2人暮らし。持病で左肩が上がらない。途方に暮れていた時、様子を聞きつけた「ひょうご災害ボランティアシニアクラブ」のメ
化学品製造販売のクエスト(鳥取県米子市)は、東京を拠点に障害者の就労を支援する新たな仕組み作りを始める。東京の一般社団法人ION(あいオン)と連携し、一般社団法人を新設。新法人が障害者を対象にクエストの独自施工の研修を行い、障害者が専門的に作業に従事する制度を導入する。新法人は障害に応じた仕事を配分できる加盟企業も募り、幅広い障害者支援を展開する。障害者に担ってもらう作業は「パブリックブリッジ
障害のある長男(42)を兵庫県三田(さんだ)市の自宅の檻(おり)に閉じ込めたとして、監禁罪に問われた父親の無職山崎喜胤(よしたね)被告(73)の判決が27日、神戸地裁であった。村川主和(きみかず)裁判官は「被害者の尊厳を著しくないがしろにした」として、懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。 判決によると、山崎被告は妻(病死)と共謀し、2013年4月28日~今年1月21日の約4年9カ月間、重度の知的障害がある長男をおおむね2日に1回、約12時間ずつ母屋で生活させたほかは、隣のプレハブ内に設けた木製の檻(高さ約1メートル、幅約1・8メートル、奥行き約0・9メートル)に入れて南京錠で施錠し、監禁した。 判決は「被害者は長期間立ち上がることもできない狭い檻の中で過ごすことを余儀なくされ、排泄(はいせつ)も檻の中のシートでさせられていた」と指摘。「被告らは施設への入所など、他
大阪府は27日、大阪北部地震で住宅が全壊・半壊した被災世帯に一律5万円、死者の遺族に100万円を義援金から配分すると発表した。一部損壊については、基準日に避難所に避難していたことが条件で、住民税非課税や一人親、障害者手帳を持つ人がいる各世帯を5万円配分の対象とし、第1次として7月上旬から配る。 また、通勤時間帯を直撃した18日朝の地震の初動対応などを検証し、南海トラフ巨大地震対策を見直す委員会を7月中旬に設置することも明らかにした。 府内の住宅被害は27日現在で1万1899棟で、うち一部損壊が99.8%を占める。「被災者生活再建支援法」による公費の支援は、一部損壊の場合は対象外。さらに大阪北部地震では、同法が適用されない見通しで、府が独自支援として打ち出した。
◆鳥取 11 遺伝性の確認、厳密に行わず <主な資料> 審査会16回分に関する議事録や申請書など。49~58年が15回分、78年が1回分。 <内容> 計16回の審査会は、約20人について不妊手術の適否を議論し、全員に「手術に適する」との結論を出した。 旧優生保護法施行令は審査会開会と議決の要件に「委員総数の2分の1以上の出席」を挙げていたが、51年3月と同6月の審査会は委員総数9人に対し、出席者が4人だった。別の1人は委任状を出していた。 また旧優生保護法は強制不妊手術の条件に対象者が「遺伝性」の病気であることを挙げていた(4条)。この規定について審査会は遺伝性を厳密に確認する方針を取っていなかったとみられる。例えば、遺伝調査書の「本人の血族中遺伝病にかかった者」の欄に「不明」と書かれたり、血族の欄に「なし」と書かれたりした対象者は8人いた。これらの審査では「この程度の遺伝調査では人権擁護
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