世界の人口のうち4人に1人程度とされるイスラム教徒(ムスリム)。その生活に欠かせない礼拝所(モスク)が各地でつくられ、なじみが薄い日本人にとっても「隣人」になりつつある。ときに不安視されることもあるが、誤解を解きながら住民と交流が生まれている地域もある。 金沢市郊外の住宅地。一見、住宅にも見える2階建てのモスクに夕方、授業を終えた留学生らが、一人また一人と集まる。絨毯(じゅうたん)を敷いた簡素な部屋。数人そろうと礼拝が始まった。「アラー・アクバル(神は偉大なり)……」。かがんだり伏したりしながら、聖典コーランの一節を唱える。 1日5回の礼拝はムスリムのつとめで、モスクはそのための場所だ。「モスクは私たちに欠かせないもの」と金沢大のインドネシア人留学生ズルカラナイニさん(36)。金曜には周辺で暮らす約100人のムスリムがここに集まるという。 このモスクは2年前にできた。インドネシア人女性と結
お寺の本堂で仏教の話をせず、社会問題について考えるイベントを始めた寺院がある。浄土真宗本願寺派の西正(さいしょう)寺(兵庫県尼崎市)。参加者の大半は信徒ではなく、会員制交流サイト(SNS)でつながった住民ら。仏法にまつわる法話ではなく、地域コミュニティーや性的少数者(LGBT)などの講演を聞き、車座になって感想や意見を語り合う。昔と比べて住民との関係性が薄れたとされる現代のお寺は、地域でどんな役割を果たせるのか。模索が続いている。(小野木康雄) SNSでつながる 10月のある土曜の夜。仏像が安置された西正寺の本堂に、世代や職業を超えた約30人が集まった。多くは信徒ではない。SNSでつながりを求め、集った尼崎の住民だ。 この日のテーマは自殺対策。電話相談に取り組むNPO法人理事の講演を聞いた後、4〜5人ずつに分かれ、感想を語り合った。 「自殺はダメと言われると、逆に生きづらくなる」 「社会の
10月11日から13日にかけて、平成28年度第1回全国人権擁護推進主事研修会が長野県上田市、佐久市において開催された。 1日目は、最初に部落解放同盟辰口支部長の深井計美かずみ氏より「歴史は問いかける」と題してご講演いただき、配付資料に掲載の差別戒名について解説された。 部落解放同盟辰口支部長 深井計美氏次に、NPO法人人権センターながの事務局長の高橋典男氏より、「差別戒名、部落差別はいま」と題してご講演いただいた。 氏は、自身が被差別部落出身ということを知ったときのことから話された。 「私が被差別部落出身と知ったのは小学5年生で、しばらくは、被差別部落出身ということを告げることが怖かったのですが、考え抜いて自分自身が被差別部落出身だということを名乗るようにしました」 人権センターながの事務局長しかし、高橋氏のその思いは、ある発言をきっかけに打ち崩されることとなった。 「高校の時の同和教育の
かつて国のハンセン病隔離政策に協力した真宗大谷派。東海地方の住職たちが教団の負の歴史に向き合い、療養所訪問と入所者との交流を四半世紀にわたり続けている。らい予防法廃止とそれを受けた教団の謝罪から20年。今なお出身地を明かせない人もいて、隔離の爪痕はあまりに深い。 「南無阿弥陀仏……」 骨になっても療養所を出られなかった人たち、3700人余りの遺骨が眠る納骨堂前で念仏が唱えられた。10月下旬、東海地方の住職や市民でつくるハンセン病学習グループ15人が、国立療養所・長島愛生園(岡山県瀬戸内市)を訪れた。納骨堂は園がある島の高台にある。 園内に1泊2日する日程では、21歳で愛生園に隔離され、今も園で暮らす津市出身の田端明さん(97)の講話を聞いたほか、島に隔離した患者の消毒や身体検査をした収容所などの施設を巡った。夜の酒席では入所者4人と夜更けまで懇親を深めた。 今回で24回目。愛知県西尾市の大
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