東京電力の山下和彦フェローは13日の民主党会合で、福島第1原発の汚染水漏れ問題について「今の状態はコントロールできているとは思わない」との認識を示した。国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況はコントロールされている」と断言した安倍晋三首相を真っ向から否定した格好だ。 民主党は13日午前、原発事故に関する対策本部(本部長・大畠章宏幹事長)会合を福島県郡山市で開催。資源エネルギー庁の中西宏典審議官は、山下フェローの発言を受け「今後はしっかりとコントロールできるようにする」と述べ、対策を急ぐ姿勢を強調した。 大畠氏は会合後、記者団に「首相の責任問題もある。臨時国会召集を前倒しして国民に説明するよう求めたい」と表明した。民主党は首相発言の根拠を厳しく追及する構えだ。 会合では、地元自治体や漁業関係者らの意見も聞いた。民主党は来週にも取りまとめる汚染水漏れの対策案に反映させて、首相官邸に申し入
広島、長崎の原爆被爆者の中には、数十年以上経てから白血病や骨髄異形成症候群(MDS)と呼ばれる「血液のがん」を発症する人も多いが、広島大の研究チームはこうした「遅発性」の白血病などの原因遺伝子を特定し、米科学誌キャンサー・セル電子版に10日、発表した。 被爆者や放射線治療などで大量の放射線を浴びた人の中には、長期間たってから白血病やMDSを発症する例が多く、急性の発がんとは別のメカニズムがあると考えられてきた。成果は、被爆者の健康管理や白血病の早期発見、予防法確立に役立つと期待される。 広島大原爆放射線医科学研究所の稲葉俊哉教授と本田浩章教授らの研究チームは、MDSの患者に多い7番染色体の異常を調べ、同染色体上のSamd9Lという遺伝子に着目。共通の遺伝子を持つマウスを使い、Samd9Lを人為的に欠損させて影響を調べた。 その結果、通常のマウスは生後25カ月経過しても白血病やMDSで
世界が懸念している福島第1原発の汚染水問題。安倍首相は「国が前面に出て抜本的な措置を講じる。五輪招致に問題がないことを説明する」と言っているが、まったく説得力がない。なぜなら、安倍政権がやろうとしている抜本対策の目玉、「凍土方式」は、原発事故直後に却下された不適切工法なのである。 民主党政権は当時、汚染水対策を馬淵澄夫首相補佐官に委ねた。馬淵は横浜国大工学部卒、建設会社技術職研究員の経歴を持つ。土木に詳しく、当時から地下水が汚染されることを問題視、吉田所長と対策を練ったという。馬淵に改めて、当時の経緯や凍土方式の問題を聞いてみた。 「凍土方式は完成まで2年間もかかるだけでなく、工法自体にも問題があります。首相補佐官時代の2011年5月、私は遮蔽プロジェクトチームの責任者として、4種類の工法を検討しました。その結果、『凍土方式』ではなく、チェルノブイリで実績がある『鉛直バリア方式』を選定
福島第1原発の汚染水問題をめぐり、安倍晋三首相が五輪招致のプレゼンテーションで「完全にブロックされている」「コントロール下にある」と発言したことについて、東京電力は9日の記者会見で、「一日も早く安定させたい」と述べ、首相発言を事実上否定した。政府に真意を照会しているといい、政府と東電の認識の違いが出たと言えそうだ。 【汚染水、首相は最終プレゼンでこう説明した】 防波堤に囲まれた港湾内(0.3平方キロ)には、汚染水が海側に流出するのを防ぐための海側遮水壁が建設されているほか、湾内に広がるのを防ぐために「シルトフェンス」という水中カーテンが設置されている。 東電によると、フェンス内の海水からは、これまでに最大でストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり1100ベクレル、トリチウム(三重水素)が同4700ベクレル検出されている。東電は「フェンス外の放射性物質濃度は内部に比べ
2020年夏季五輪開催を目指す東京招致委員会の竹田恒和理事長が、ブエノスアイレスで開いた記者会見で「福島とは離れている。東京は安全だ」と発言したことに、東京電力福島第1原発事故に苦しむ福島県民から「東京が安全ならいいのか」「差別的だ」と反発の声が出ている。 竹田理事長は、4日の会見で原発事故について「東京は水、食物、空気についても非常に安全なレベル。全く懸念はない」「福島とは250キロ離れている」と述べた。 「『東京は安全』と強調するのは『福島の現状はひどい』と認めるということ。ならば、なぜ2年半もの間、ひどい福島を放置してきたのか。ばかにしている」。福島市から東京都練馬区に自主避難している主婦二瓶和子さん(37)は憤る。会社員の夫は福島に残り、幼い娘2人を抱え生活を続けている。 原発事故は、国が原子力政策を推進してきた末に起きた。安倍晋三首相は五輪招致の訴えに臨むが、二瓶さんは危機的な状
質疑応答に勢いの差=苦しい東京、自信のマドリード−20年五輪招致 質疑応答に勢いの差=苦しい東京、自信のマドリード−20年五輪招致 2020年夏季五輪開催を目指す東京招致委員会の竹田恒和理事長(右)。汚染水問題の質疑応答で表情は曇りがち。左はトヨタ自動車の張富士夫名誉会長=4日、ブエノスアイレス 2020年五輪招致を目指す3都市が4日、相次いで記者会見を開いた。それぞれの「アキレスけん」とでも言うべき問題点について、質疑応答に勢いの差がのぞいた。 東京には、東京電力福島第1原発の汚染水問題に関する質問が集中した。答えに窮した招致委の竹田恒和理事長は、英語から途中で日本語に切り替えて「東京の水と食料、空気は全く問題ない。東京の放射線量はロンドン、パリ、ニューヨークと同じ」。いつものセリフを繰り返し切り抜けた。 イスタンブールは、トルコ選手の大量ドーピング(禁止薬物使用)に関して質問攻めに
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東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れをめぐり、国会の機能不全が露呈した。2020年東京五輪招致への影響に気兼ねし、衆院経済産業委員会の閉会中審査が先送りに。五輪のために汚染水問題にふたをしたとの批判を招きかねない対応に被災地では怒りの声が上がる。五輪招致関係者からは「逆に招致に悪影響を与える」との懸念も出ている。 30日、国会内で開いた衆院経済産業委員会の理事懇談会。自民党の塩谷立筆頭理事が「安倍晋三首相も政府を挙げて取り組むと言っている。もう少し時間をとったうえで検討したい」と表明した。民主党の近藤洋介筆頭理事は現地視察を提案。政府側が五輪招致を決める9月7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会前に打ち出す汚染水対策を見極めることで、事実上先送りを容認した。 もともと閉会中審査は、野党の要求に応じる形で自民党が開催を検討した。だが、五輪開催地の決定直前に開けば、審議を通じて事故の
原発事故の影響で局所的に放射線量の高い「ホットスポット」が見つかった市町村の放射線測定費を国が負担する事業の予算が1円も使われず、過去2年分の約6・4億円が手付かずのままになっている。 窓口となる都道府県からは「そもそも事業の存在を知らない」という声さえあがっており、原子力規制委員会事務局の原子力規制庁は、事業の廃止も視野に必要性について自治体の意向を確認している。 「そんな事業があったんですか?」。東京電力福島第一原発事故の影響で、現在も除染が行われている宮城県の担当者は戸惑いながら話した。同様に除染が続く栃木県の担当者は、「今となっては、自前で測定器を購入している自治体も多い。もっと早く事業を知っていれば、利用する自治体があったかも」と打ち明ける。 問題の事業は国の「放射性物質監視推進事業費」の9割以上を占める放射線測定。ホットスポットが発見された場合、国が民間事業者に放射線測定を委託
東京電力は23日、福島第一原発の港湾内で採取した海水の放射性トリチウム(三重水素)の濃度が1週間で8〜18倍に高くなったと発表した。1〜3号機周辺の地下水汚染の発覚で、監視を強めた6月以降では過去最高。港湾外への放射能汚染の拡大が進んでいるとみられる。 東電によると、原発から約500メートル離れた港湾口で19日に採取した海水から1リットルあたり68ベクレルを検出。12日は検出限界未満だった。港湾内の4カ所でも52〜67ベクレルと6月以降で最高だった。だが、いずれの値も国の基準は下回っている。
暴力団排除の方策が固まらない中、除染作業は今も続く(写真と事件は関係ありません)=2日午前、福島県伊達市除染をめぐる事件の構図 福島県内の除染を暴力団が狙っている。山形県の暴力団幹部が作業員を送り込んで給料をピンハネした事件で、除染に使われる税金を資金源にする実態が初めて浮き彫りになった。 ■人手不足「チェック甘いと思った」 「震災復興に税金が投入されていることは、わかっていますよね」 元暴力団幹部A(40)は検察官の質問に淡々と答えた。「はい、なんとなく」 3月5日、山形地裁。審理は初公判のこの日で終了し、検察は懲役8カ月を求刑した。約3週間後、地裁はAが派遣業の許可を持たずに福島県伊達市の除染現場に7人を派遣したと認定し、懲役8カ月執行猶予3年を言い渡した。賃金を中抜きした「悪質な犯行」と断じたものの、事件後に暴力団を辞めたことを考慮して実刑は避けた。 政府が復興の柱に位置づ
東京電力福島第1原発事故をめぐり、当時の東電幹部らが業務上過失致死傷罪などで告訴・告発された問題で、複数の同社幹部らが検察当局の任意の事情聴取に「実際に大津波が起きることは想定しておらず、事故は予見できなかった」などと、過失を否定する趣旨の説明をしていることが5日、関係者への取材で分かった。 これまでの捜査で過失を裏付ける明確な証拠はなく、検察当局は対象者の立件見送りを視野に入れている。刑事処分は早ければ夏にも行う見通しだ。 告訴・告発の大半は過失罪で「事故が起きる可能性を予見できたか」「事故を回避できる可能性があったか」の2点が重視される。 関係者によると、検察当局の聴取に当時の東電幹部らは、津波対策の必要性について認識がなかったことを証言。事前の試算で15メートル超の津波が襲うことも想定されていたが、「あくまで試算で、実際に起きるとは考えていなかった」とし、事故は予見できていなかったと
雑草に覆われた道路で、まるで瀕死の病人の心臓のように、 信号機だけが点滅を続けている。 音のない無人の街を、目に見えぬ放射線が異常な数値で 覆っている。原発から20km圏内の警戒区域。 あの日、避難令は人間にだけ出され、動物は避難できなかった。 置き去りにされた動物たちは、その後どうなったのだろうか。 (Text : Miwa ARAI) 彼らは、そのままだった。つながれたまま餓え、渇き、悲鳴をあげながら死んでいった。その叫びのほとんどは人間には届かないままに。原子力という、自らがつくりだしたものから、私たちは逃げた。あらゆるほかの命を放り出して。しかし、2年が経つ今日もそこには、人間の帰りを信じて待っている命がある。 そしてその命を救おうと戻った人間も、いる。 彼らは確かにここにいた ~ 太田康介さんの場合 ~ 「あ、これはいかん」。それは無人の街を、首輪を付けた犬たちがうつろに放浪して
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