韓国との国境に近い島、長崎県対馬市で4日、江戸時代に往来した外交使節「朝鮮通信使」を再現した市民らの行列があった。毎夏の「対馬厳原港まつり」の恒例行事。日韓関係の悪化で、釜山市の職員や国会議員らが来島を取りやめたが、行列には韓国側の約50人と日本側の約250人が参加し、交流の重要性と継続を確認し合った。 一行は約1・5キロを練り歩き、通信使を出迎えた旧対馬藩主、宗(そう)家の菩提(ぼだい)寺「万松院」に到着。「国書」に模し、それぞれに「誠信交隣」という言葉を盛り込んだ友好のメッセージを交換した。対馬藩の儒者雨森(あめのもり)芳洲(ほうしゅう)が説いた「互いに欺かず争わず、真実をもって交わる」という思想だ。 対馬藩主に扮した陸上自衛隊対馬駐屯地の山口勝司令が「今後も『平和の遺産』である朝鮮通信使の『誠信交隣』の精神を世界に広げていきましょう」と読み上げると、通信使の正使役の南松祐(ナムソンウ
経済インサイド 半世紀近く前、整備計画が決まった整備新幹線。地方の夢をのせ、北は北海道から南は鹿児島まで、都市圏と地方を結んできました。ところが、九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の場合は事情がちがいます。佐賀県の山口祥義知事が、地元を走る線路の整備に反対の姿勢を鮮明にし、与党や長崎県と鋭く対立しているのです。いったい何が起きているのでしょうか。 「新幹線整備、求めていない」 4月下旬、東京・永田町の衆院議員会館。長崎新幹線の整備を検討する与党の委員会で、居並ぶ国会議員や国土交通省幹部らを前に、佐賀県の山口知事の口から出たのは強烈な反対の意思表明だった。 「(長崎新幹線で佐賀県内を走るルートの)新鳥栖―武雄温泉の間に、これまで新幹線整備を求めたことはないし、いまも求めていない」 与党の検討委員会はこれまで、新幹線を整備したときの佐賀県の負担額をいかに軽減するかを議論してきた。山口知事はか
長崎原爆の爆心地から南東700メートルにあり、入院患者50人以上が亡くなった長崎医大付属病院。2人は病棟の屋上で爆弾の破片探しに興じていた(米軍撮影、長崎原爆資料館所蔵) 写真を見る 命の恩人の「シゲちゃん」に会いたいと願う被爆者の池田道明さん 写真を見る 恩人のシゲちゃんに助けられ、戦後の小学校に通ったころの池田道明さん(中央) 写真を見る 写真を見る ミッちゃんとシゲちゃんは、一緒にエレベーターに乗り込んだ。1階に着き、扉が開く。1945年8月9日午前11時2分。一歩踏み出した瞬間、まぶしい光とともに爆風に吹き飛ばされた。 その日、長崎医大付属病院外科病棟の屋上は、焼け付くような暑さだった。6歳の少年2人は空襲の爆弾の破片を探して遊んでいた。午前11時ごろ、「あった! こいは太かばい」。自慢げなシゲちゃんだったが、すぐに「便所に行きとうなったけん下に降りよう」とミッちゃんに駆け寄った
長崎市の無人島で「軍艦島」として知られる端島で、島にあった小中学校の卒業生が、ことし9月、世界文化遺産への推薦が決まってから初めて現地で同窓会を開き、母校を見学しました。 「軍艦島」として知られる長崎市沖の端島は、かつて炭鉱の島として栄え、5000人余りが暮らしましたが、昭和49年の炭鉱の閉山を機に無人島となりました。 政府はことし9月、端島を含む九州や山口県などの28の資産を世界文化遺産の登録を目指してユネスコに推薦することを決めました。 かつて島にあった端島小中学校の同窓会では、推薦が決まったあと初めて島を訪れることになり、4日、卒業生およそ120人が3年ぶりとなる母校の見学に参加しました。 当時の学校の周辺は立ち入りが禁止されていますが、長崎市から特別に許可を得て見学しました。 中には、およそ40年ぶりに母校を訪れた人もいて、写真を撮ったり、当時の思い出を語り合ったりして久しぶりに再
韓国・祈祷師が対馬で騒動 川辺で祈る韓国人の祈祷師や占い師=対馬市厳原町、鮎もどし自然公園 韓国人の祈祷(きとう)師ら約200人が20日、対馬市厳原町の鮎もどし自然公園を訪れ、民族衣装を着て太鼓や鐘を鳴らして祈った。しかし公園の使用許可を取っていなかったため、管理者の市と押し問答となる一幕があった。 14日には対馬で盗まれた仏像の所有権をめぐり韓国・浮石寺(プソクサ)の僧侶らが訪問したばかり。20日の来島も一部メディアが「仏像盗難に関連して訪問」と報じていたが、祈祷師らは「無関係」としている。市の担当者は「ルールは守ってほしい。市民感情が悪化している時に勝手な行動をされては困る」と不快感を示した。 韓国の旅行会社によると訪れたのは、自然をあがめる祈祷師や占い師らでつくる団体の会員。毎年2回、海外の自然豊かな山や海で祈っている。対馬へのツアーは数カ月前から計画していたという。 祈祷師
長崎県対馬市厳原町の郷土史研究グループ「対馬国界クラブ」代表の大江正康さん(63)が、同市上対馬町の矢櫃(やびつ)と呼ばれる小さな浦で、石積みの遺構が海中にあるのを確認した。 矢櫃には、中世に朝鮮の船舶が寄港したとされ、大江さんは「海峡を渡った使者たちの船の専用港だったとも考えられる」としている。 矢櫃は海岸線が深く入り込んだ天然の良港で、朝鮮半島からは約50キロの距離にある。 大江さんは昨年11月と今年5月に現地を調査。目測で長さ約20メートル、幅約3メートル、高さ約2・5メートルの石積みが沖に突き出ているのを確認し、写真を撮った。海の深さは約3メートルで、干潮時には遺構が海面近くに姿を現す。 室町時代に朝鮮から派遣された使者が日本の情勢などをまとめた「老松堂日本行録」には、1420年(応永27年)2月16日午後5時頃、「也音非梁(やびつ)に至り船を泊す」との記述があり、矢櫃のことを示し
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花粉を飛散させるスギやヒノキがほとんど生えていない長崎県平戸市の的山(あづち)大島が、花粉症に悩む人たちの“避粉地”として注目されている。 地元のNPO法人が4年前から花粉症患者を対象に始めたツアーでは、参加者の大半が症状の改善を感じ、「鼻から思い切り空気が吸えた」と感激の声もあがっている。飛散量が増える春先から島への一時避難を検討してもらい、島おこしにつなげようと期待が広がっている。 的山大島の住民約10人でつくるNPO法人「文化財匠塾」平戸支部によると、島内は自生の松やカシが多く、スギやヒノキの植林が占める面積は島全体(約15・5平方キロ)の約2%(約0・3平方キロ)。島は本土から北に約15キロ離れており、花粉が飛来してくる恐れもないという。 長崎大が2009年度に島民のスギ花粉症についてアンケートを実施したところ、当時住んでいた1438人のうち1027人が有効回答を寄せ、「花粉症」は
印刷 【動画】軍艦島で建物の現地調査/世界遺産登録に向け建築学会学会の調査は立ち入り禁止区域で進む。あちこちで壁が崩れていた=2日、長崎市の軍艦島長崎・軍艦島 1974年に炭鉱が閉山されて無人島になった長崎市の軍艦島(正式名・端島)で、建物の傷み具合を日本建築学会が調べている。島を含む「九州・山口の近代化産業遺産群」の世界遺産登録に向けて、市が依頼した。 2日の現地調査の様子を報道陣に公開した。建築学会のワーキンググループ約30人は10月29日から現地入り。1916〜70年に建てられた建物のコンクリートのサンプルや飛来する塩分の濃度、鉄骨の腐食状況などを3日まで調べる予定。コンクリートや鉄骨の状態を確かめ、劣化状態や保存する場合の方法を来年9月に市に提言する。 ふだんは立ち入り禁止の区域内では、建物のひさしや壁がはがれ落ちたがれきがあちこちに転がる。壁のひび割れや鉄骨のさびも珍しくな
テーマパークのハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)が22日発表した2011年3月期決算は、売上高が前期比13%増の113億円、佐世保市から「再生交付金」8億8千万円を受けて経常損益は前期の17億円の赤字から10億円の黒字になった。 HTBは入場者の落ち込みが続いていたが、旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS、東京)が昨春、買収して再建に乗り出していた。 ガーデニングなどのイベントが好評で入場者が増え、光熱費など経費も切りつめた結果、予定より1年早く黒字に転換した。沢田秀雄社長(HIS会長)は記者会見で「利益を還元するためボーナスを多めに出したい」と話した。
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