天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行致します。 祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に倒れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異郷に亡くなられた御霊の御前に、政府を代表し、式辞を申し述べます。 いとしい我が子や妻を思い、残していく父、母に幸多かれ、ふるさとの山河よ、緑なせと念じつつ、貴い命を捧げられた、あなた方の犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを、片時たりとも忘れません。 御霊を悼んで平安を祈り、感謝を捧げるに、言葉は無力なれば、いまは来し方を思い、しばし瞑目(めいもく)し、静かに頭を垂れたいと思います。 戦後わが国は、自由、民主主義を尊び、ひたすらに平和の道を邁進(まいしん)してまいりました。 今日よりも明日、世界をより良い場に変えるため、戦後間もない頃から、各国・各地域に