過去に似た流れがあったことを、世間は忘れているのではないかと思う。 1999年に週刊文春は元ジュニア達による性被害告発を、大々的に報道した。ジャニー氏と事務所は名誉毀損訴訟を起こすが、東京高裁は2002年に性加害の真実性を認める判決を下した。重要なのは、裁判で少年たちへの「性加害の真実性が認められた」にも関わらず、ジャニー喜多川氏は逮捕されることなく、刑事責任を問われることもなかったという事実だ。 「刑事責任を問う」には、被害者が児童であれば直後に加害者の精液等を採取して被害届を出したり、加害者自ら暴行の様子を撮影して映像を保管していたなど、よほどの直接的証拠が残らなければ難しい。文春のA子さんのケースのように、事前にスマホを取り上げられて密室で暴行をされたという流れが事実であれば、そもそも物的証拠は残りようがない。 これに限らず多くの性犯罪がそうで、密室内で行われる暴行は、そもそも物的証
きまた・せいごう/大阪キリスト教短大客員教授 元岐阜女子大学副学長、元週刊文春・月刊文芸春秋編集長。1955年京都市生まれ。78年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、同年文芸春秋入社。『週刊文春』『文芸春秋』の編集長を経て、2015年常務取締役、18年退社。現在、大阪キリスト教短大客員教授を勤める。関わった主な記事は、江川紹子との坂本弁護士失踪事件追及、野坂参三密告の手紙、少年Aこの子を生んで、ジャニーズ追及キャンペーン、田中真紀子秘書給与疑惑、村木厚子独占手記、田中角栄の恋文、尾崎豊の遺書など多数。著書に『文春の流儀』。 元文春編集長が「今」語りたいこと 元週刊文春、月刊文芸春秋編集長が、豊富な取材経験を基に、注目の事件・事象を独自の目線で解説。読者に世の中を読み解く上での「気づき」「教訓」を与える。 バックナンバー一覧 タレントの松本人志氏が『週刊文春』による性加害報道を受け、発行元であ
米ニューヨークで行われた国連の会合に出席する人権派弁護士のアマル・クルーニー氏(2018年9月28日撮影、資料写真)。(c)Angela Weiss / AFP 【7月9日 AFP】著名な人権派弁護士のアマル・クルーニー(Amal Clooney)氏が8日、フィリピンの著名ジャーナリスト、マリア・レッサ(Maria Ressa)氏の弁護団に加わる意向を発表した。レッサ氏が運営するニュースサイトは、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)比大統領と繰り返し対立している。 報道分野での業績が評価され、2018年には米誌タイム(Time)の「今年の人(Person of the Year)」にも選出されたレッサ氏は、自身が運営するニュースサイト「ラップラー(Rappler)」をめぐり複数の罪に問われている。これについて報道の自由を擁護する人々からは、「迫害」行為だとして非難が上がっ
当記事の内容に誤解を招く表現があったことから、記事の内容を削除致しました。 当記事はツイッターに掲載されていた@Akira_5884氏の『【裁判情報】東京地裁 2月19日(火)10時30分~事件番号 平成29年(ワ)〇〇〇〇〇号』やネット掲示板の『【MeToo】山口敬之氏、伊藤詩織氏に1億3000万円の損害賠償を求め反訴「彼女は性被害ビジネスのカリスマになるため私を利用した」』を引用して記事にしましたが、このツイートに掲載されていた画像に書いてあった『(ウ)経済目的 「性暴力被害の訴え」を「生業」とする』『(エ)自己満足(性暴力被害を訴える「カリスマ」的地位の確立)』との文言や書き込みから山口敬之氏の発言と誤解して記載してしまったのが原因です。 記事の間違いに気がついたのは3月29日に問い合わせメールで読者からの指摘を受けたからで、更に記事を修正した翌日の3月30日に山口氏のFaceboo
政府は、韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金に対し、韓国人の元徴用工への賠償を命じた判決に反論する英語資料を作成した。国際会議の取材に訪れる海外メディアなどに配布し、判決は国際法違反だと国際世論に訴える狙いがある。 「What are the Facts(事実は何か)」と題した資料は2ページで、すべて英語。1965年の日韓請求権・経済協力協定が、両国間の請求権問題は「完全かつ最終的」に解決されたと明記していると説明。今回の判決について「協定に明確に違反」し、「2国間関係の法的基盤を覆すだけでなく、戦後の国際秩序への深刻な挑戦だ」と批判した。協定文書などの写真も載せた。 まずは、安倍首相が出席するシンガポールでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の場を活用し、14日にも海外メディアや政府関係者へ配布し、対外発信を強化する。
(CNN) 昨年2月13日にマレーシアの空港で殺害された北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏は、その数日前に米国人と接触していたことが分かった。 クアラルンプールで開かれている実行犯の女2人の裁判で、捜査関係者が認めた。正男氏は2月9日にマレーシアのリゾート地、ランカウイ島のアパートで米国人に会っていたという。 朝日新聞が昨年5月に報じた記事に基づき、弁護側が質問した。同紙は正男氏が会った相手について、米情報当局とつながりがあるとみられるコリア系米国人と伝えていた。 しかしマレーシア国営ベルナマ通信によると、捜査関係者は法廷で、米国人の身元や工作員かどうかは確認されていないと述べた。 同紙によると、警察が正男氏のノートパソコンを調べたところ、最後に使われたのはランカウイ島での接触と同じ9日だったことや、この日にUSBメモリーが差し込まれていたことが分かったという。 裁判ではインドネシア人とベ
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