24歳の教師で1児の母、ハイディ ・ベネクンシュタイン (Heidi Benneckenstein)は、約1年前まで、〈ハイドラン・レデッカ (Heidrun Redeker)〉というネオナチ団体に所属していた。ミュンヘン近郊の極右家庭に生まれたベネクンシュタインは、統制、従属、狂信的な愛国心を重んじる、〈第三帝国 〉のフェルキッシュ(völkische)という価値観のもとで育てられた。 ベネクンシュタインは〈ハイマトロウエン・ドイチェン・ユーゲント (Heimattreuen Deutschen Jugend、HDJ)〉という青少年クラブに加入し、7歳のとき、HDJ主催のサマーキャンプに初めて参加した。次世代ナチスのエリートを育成する団体だ(2009年、ドイツ内務省はこのクラブを閉鎖した)。そこで彼女は、ホロコーストを否定し、ヒトラーの誕生日を祝っていた。 現在、教師を務める傍ら、執筆活
本書の題名は『ネオナチの少女』となっているが、著者のハイディ・ベネケンシュタインは自らを「ネオナチ」とは定義していない。「ネオナチの人々とは、思想も生い立ちもまったく違う」と言い切る。彼女はかつての自分を「ナチそのもの」だと定義する。 現代の若い女性が「ナチ」を名乗るのは少し奇異に感じるが、本書を読み進めるとすぐに合点がいく。 彼女の祖母はヒトラーユーゲントの女子部門であるドイツ少女団の出身で現在もナチ信奉者。父は公務員で自信に満ちあふれカリスマ性を持つ男だが、やはりナチの信奉者だ。著者は幼少時よりナチズムの教育を受けて育った。 その徹底ぶりはすさまじく、敵性語として英語の使用が禁止されていたほどだ。さらに幼少の頃から、ヒトラーユーゲントの正統な後継団体であるドイツ愛国青年団で、準軍事教育や思想教育を叩き込まれた。 ドイツ愛国青年団のキャンプに参加する子弟のほとんどが医者や弁護士など中流階
謎のシリア難民「ベンジャミン」 今年の1月末、オーストリアのウィーン空港の身障者用トイレに、拳銃が隠されているのが見つかった(詳しい隠し場所は発表されていない)。そこで警察は、誰かがこの拳銃を取りに来るに違いないと見て、罠を仕掛けた。 2月3日、トイレに現れたのは、ドイツ軍の将校、フランコ・A(28歳)だった。隠し場所を開けた途端、Aはあっという間に大勢の警官に取り囲まれた。 Aは取り調べに対して、「ウィーンで酔っ払って、草むらで用を足そうとしたら、偶然、拳銃を見つけた。それをジャケットに入れたまま、翌日空港まで来てしまったため、慌ててトイレに隠した」と説明したという。小学生でも信じないだろう。 オーストリア警察がドイツ当局にAの指紋照合を求めたところ、すぐに一致する指紋が見つかった。ところが奇妙なことに、それは将校フランコ・Aではなく、一人のシリア難民のものだった。 フランコ・Aの件は、
オーストリア・ウィーンでTV討論に臨む極右・自由党候補のノルバート・ホーファー候補(2016年11月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/JOE KLAMAR 【11月29日 時事通信社】極右・自由党候補の勝利が現実味を帯びているオーストリア大統領選挙のやり直し決選投票を12月4日に控える中、ナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所の女性生還者(89)がビデオメッセージで極右台頭に警鐘を鳴らし、注目を集めている。 生還者のゲルトルーデさん=ウィーン出身=は16歳でアウシュビッツに家族と共に送られ、自分だけ生き残った。「他者への侮辱や中傷が最も不快」と強調。かつてのユダヤ人差別に触れ、「こうしたことを繰り返そうという試みがあり、恐れている」と述べ、厳しい難民対応を訴える自由党への警戒感を示した。 5分弱の映像の最後で「私には多分最後の選挙だが、若者にとっては全人生が待っている」と指摘。良い未
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