アメリカ政府は5日、中国が自国の輸出に有利になるよう人民元を意図的に安く誘導しているとして、「為替操作国」に認定したと発表しました。アメリカが中国を為替操作国に認定するのは25年ぶりで、両国の対立がさらに深まりそうです。 人民元をめぐっては、トランプ大統領が今月1日に表明した、中国からの輸入品に対する追加の関税の上乗せ措置の影響への懸念から、5日、中国・上海の外国為替市場でおよそ11年ぶりに1ドル=7人民元台の元安・ドル高水準をつけました。 トランプ大統領は中国政府がアメリカへの対抗措置として、自国の輸出に有利になる人民元安を誘導したという疑いを強めて、急きょ、認定に踏み切ったものとみられています。 アメリカが中国を為替操作国に認定するのは、1994年以来25年ぶりです。 アメリカ財務省は今回、取り引きの制限などには言及せず、中国に対して為替レートの透明性を高めるよう是正を求めるとしていま
ドナルド・トランプ米大統領は、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長のことを「なかなかの切れ者」と述べた。30日放送の米CBSテレビのインタビューで、金委員長が「かなりタフな相手」に囲まれながらも、若くして権力の座についたことに言及して発言した。 トランプ氏はCBS番組「フェイス・ザ・ネイション」でさらに、北朝鮮の核・ミサイル開発について緊張が悪化するなか、トランプ氏は金委員長が正気かどうか「まったく分からない」と話した。 「みんな彼のことを『正気なのか』と言っている。僕にはまったくわからないが、26か27の若者だったわけだ。父親が死んだ時。もちろんとてもタフな相手とやりとりしてる。特に将軍とかそういう。それですごく若くして権力を掌握できた。大勢がおそらく、その権力を取り上げようとしたはずだ。叔父とかそういうほかのいろんな人が。それでもやってのけた。だから明らかに、なかなかの切れ者だ」
米首都ワシントンで開かれた20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の会場に到着した麻生太郎財務相(2016年4月15日撮影)。(c)AFP〔 AFPBB News 〕 時代とは、かくも変わるものなのか。米国は2009年に金融の量的緩和(QE)に乗り出した際、競争的な通貨切り下げに訴えるのかと非難された。ところが今日では立場が逆になり、米国がほかの国々を非難している。 米財務省が4月29日、今年2月に発効した「2015年貿易円滑化及び権利行使に関する法律」の新しい規定にのっとり、為替操作国になり得る存在として中国、日本、韓国、台湾およびドイツを槍玉に挙げたのだ。 この5カ国・地域は、財務省が米連邦議会に提出した報告書の監視リストに載っており、3つの基準のうち2つを満たしたとされている。 基準が3つとも満たされれば、詳細な分析や2国間の取り組みの強化が行われ、それでも安すぎる為替レート
3月20日、中国人民銀行の周小川総裁は北京で開催された国際フォーラムで改めて国内外の投資家の不安払拭を図った。 2月の外貨準備高の減少ペース(286億ドル減)は、たしかに1月(995億ドル減)と比べると鈍化していた。また、人民元の対ドルレートが安定を取り戻しつつあるとの観測も出始めていた。 危機的状況の中、トービン税導入案を検討 だが、3月末に人民銀行が商業銀行との間の「先物・先渡し(デリバテイブ)取引」における外国通貨の売り持ち高を公表した(289億ドル相当)ところ、人民銀行の2月の為替介入の規模が市場の予想に比べてはるかに大規模だったことが判明した(4月1日付ブルームバーグ)。 デリバテイブ取引では、相手先(商業銀行)に米ドルの現金を渡すのが数カ月先の契約満期を迎えてからになる。その間、人民銀行は米ドルを温存し、外貨準備を減らさずに済むというメリットがある。しかし人民銀行が結んだ契約の
コロンビア国境のベネズエラ・スリア(Zulia)州マラカイボ(Maracaibo)湖の石油掘削施設(2010年10月27日撮影)。(c)AFP/Juan BARRETO〔AFPBB News〕 米ドル建ての借り入れが発展途上国の景気循環にとって重要な理由 原油価格は若干上向いたが、石油生産会社は昨年の原油価格急落の影響をまだ引きずっている。 メキシコの国有石油会社「ペメックス」のトップは先日、同社が「流動性逼迫」に直面していると述べた。マレーシアの国営石油会社は従業員のレイオフを進めている。 困難に直面しているブラジルの巨大石油会社「ペトロブラス」は、先日、中国国家開発銀行から100億ドルの融資を受けた。近々期日を迎える債務の返済原資の一部に充てるためである。 こうした石油会社の苦境は、新興国企業の債務負担に大きな懸念があることを示している。資源の生産会社にとって特に心配なのは、ドルが今よ
1.昨年央以降不安定化が続く中国の為替・株式市場 今年は年明け早々から中国の為替・株式市場が荒れた展開となり、その影響を受けて世界の金融市場が不安定化している。 中国の為替・株式市場は昨年央以降、不安定な状態が続いていた。9月から10月にかけていったん落ち着いたかのように見えたが、10月24日に中国人民銀行が預金・貸出基準金利と預金準備率を同時に引き下げたことを契機に元安期待が再燃した。 中国人民銀行は巨額の為替介入を続けて、必死に大幅な元安を防ごうとしてきたが、現在に至るまでその努力は満足できる成果にはつながっていないように見える。巨額のドル売り元買い介入の結果、外貨準備は11月以降、3か月連続で月間約1000億ドルの急速なペースで減少を続けている。 こうした状況下、中国政府は状況打開のために以下のような様々な政策措置を講じたが、市場との対話能力が不十分なため、市場参加者の理解と信頼を得
映画「マネー・ショート:華麗なる大逆転」は、住宅バブルの資金供給に使われた債務証券の値下がりに賭けるヘッジファンド・マネジャーを中心に展開する物語だ。その主人公が抱えるジレンマが、香港の同業者の心の琴線に触れている。 2008年の世界金融危機に至った実際の出来事をベースにしたこの映画に、中国の人民元が今後数カ月でどこまで下落するかを予測しているヘッジファンド・マネジャーたちが共感を覚えているのだ。 2月初めにゴールドマン・サックスが開いたマクロ・コンファレンスの会場の片隅で、顧客であるヘッジファンドの社員とゴールドマンのトレーダーたちが人民元相場について意見交換をしていた。現在は1ドル=約6.57人民元だが、これが同8人民元に下がるまでどれぐらい時間がかかりそうか、というテーマだ。 また、多くのプライベート・エクイティ会社幹部が人民元のヘッジを始めている。以前は、投資先の中国企業の人民元建
(ブルームバーグ):上海の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では中国の人民元が主要議題の一つになると予想されていた。しかし、主要国の一部の当局者から懸念材料として指摘されたのは、日本の円と金融政策だった。 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は27日に上海で記者団に対し、「正直に言って、日本についても討議された。競争的な通貨切り下げの状況に陥るのではないかとの多少の懸念があった」と発言。「他が追随し、競争的な切り下げとなるリスクは非常に大きい」と述べた。 同議長のコメントは、円を対ドルで押し下げて債券利回りを歴史的な低水準に引き下げた日銀による前例のない金融刺激策に対する懸念の高まりを示唆するものだ。日銀が先月、マイナス金利導入の決定を発表したことで、市場は不意を突かれ、通貨のボラティリティ(変動性)が高まった。 日銀の黒田東彦総裁
(英エコノミスト誌 2016年1月16日号) 中国の指導者たちは為替レートについて、魅力のない選択肢に直面している。 中国の経済運営責任者たちの評判にとって、過去6カ月間は厳しいものだった。厄介な株式市場を何とか従わせようとする彼らの試みは、ほとんどドタバタ劇だ。一方、中国の為替レートの覚束ない扱いは、笑いごとではない。中国の通貨価値の予期せぬぐらつきは、世界各国の市場を混乱させる。だが、将来への確実かつ安全な道筋を与えてくれる為替政策は存在しない。 中国の窮状に1990年代後半のアジア金融危機との類似点を見て取る人もいる。 当時は、投資家心理が強気から弱気に転じたことで、インドネシアや韓国、タイといった急成長を遂げる国々が資本流出に見舞われた。 各国の外貨準備が減少すると、政府は通貨のドルペッグを放棄せざるを得なかった。大幅な通貨下落は金融の大混乱につながった。資産価格が急落し、これらの
中国が先週、20カ国・地域(G20)議長国としての活動計画を世界の主要経済国の政府高官らに提示した際、中国政府は経済的に有益な4つの優先事項を打ち出した。 国務委員の楊潔篪氏は北京に集まった「シェルパ * 1 」たちに向かって、中国はG20が「成長に向けた新たな道筋」を開拓し、「より効果的な」世界経済統治と「力強い国際貿易」、「包括的な発展」を追求することを切に望んでいると述べた。 だが、中国の外交政策を担う最高幹部である楊氏は恐らく、5つ目の優先事項を付け加えるべきだった。中国の指導部がまだ事態を掌握できているということを、他の主要国に納得させることだ。 急落する市場と中国経済に対する懸念は、習近平国家主席と共産党指導部にとって、持ち回りのG20議長国としての任務に期待していたより困難なスタートをもたらした。 だが、2016年の難しい幕開けのせいで、他の主要経済国の政府高官やアナリストた
年明け早々から株式市場はチャイナ・リスクで大荒れである。世界最大水準の中国債務は今後さらに膨らむ情勢なのだから、不安がグローバルに伝播してしまう。 「中国、今年は改革の正念場に」(米ウォールストリート・ジャーナル1月4日付)であることには違いないが、習近平政権にとってはそれどころではない。 中国金融のどん詰まりぶりを端的に物語るのは、中国人民銀行による人民元資金発行残高である。昨年後半から急減している。前年比マイナスは実に16年ぶりだ。 人民銀行は2008年9月のリーマン・ショック後、元の増発に増発を重ね、国有商業銀行を通じて資金を地方政府や国有企業に流してきた。大半は不動産開発など固定資産投資に向けられ、国内総生産(GDP)の2ケタ成長を実現した。その結果、10年にはGDP規模で日本を抜き去ったばかりか、党中央は豊富な資金を背景に軍拡にもいそしんできた。東シナ海、南シナ海などでの海洋進出
昨年以来、中国では株価の暴落が繰り返されています。今年になってからも暴落が発生し、今年から導入したサーキットブレーカーが2度も発動されたため、慌ててサーキットブレーカーを停止するなど、市場の混乱が続いています。その影響は世界中に波及し、先進各国の株式市場も株安になっています。 このような混乱がなぜ起こっているのかを知りたくて、ここ数日、内外の様々な記事を読んでいましたが、十分納得できるものがなかなかありませんでした。その中で唯一納得できたのが、なんと夕刊フジの田村秀男氏の記事でした。 年明け早々から株式市場はチャイナ・リスクで大荒れである。世界最大水準の中国債務は今後さらに膨らむ情勢なのだから、不安がグローバルに伝播してしまう。 「中国、今年は改革の正念場に」(米ウォールストリート・ジャーナル1月4日付)であることには違いないが、習近平政権にとってはそれどころではない。 中国金融のどん詰ま
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く