シンガーソングライターの吉澤嘉代子が2ndシングル『残ってる』を発表した。表題曲の「残ってる」は、夏から秋へと移ろう季節に取り残された主人公のせつない心情を温かみのある管楽器の音色とともに描いた、この季節にぴったりの珠玉のバラード。彼女が日本の歌謡曲/ポップスの歴史に連なり、その先端に位置することを改めて印象づける作品だ。 これは以前2ndアルバム『東京絶景』についてのコラムでも触れたことだが、吉澤は「妄想系シンガーソングライター」というキャッチコピーがゆえに、しばしば「個性派」として語られがちである。もちろん、その部分は彼女の大きな魅力のひとつであり、バカリズム原作・脚本・主演のドラマ『架空OL日記』の主題歌に起用され、今年5月にリリースされた1stシングル『月曜日戦争』の妄想全開の作風は、ドラマの内容ともリンクし、彼女の存在をより多くの人に知らしめたことは間違いない。 しかし、その歌詞