さて、接続詞を選択する野矢さんの次の問題は以下のようなものだ。 問1-3 「地球を周回している宇宙船の中では無重量状態であり、それゆえ「軽くなった空気が上昇する」とか「重い空気が下がる」ということはない。 <しかも/したがって>、 宇宙船の中でおならをしても、すぐには臭わないという。ただし、ガスが濃いまま漂っているので、それが鼻のところに来ると、臭い。」 この問題は、「しかも」と「したがって」にかなり顕著な違いがあるので分かりやすい。「しかも」の場合は、最初の言明を補強するような効果がある。野矢さんは、その言明から論理的に帰結されるであろう事柄を予想して、その予想をさらに補強したいときに「しかも」を使うという解説をしている。次のような場合だ。<ある料理屋で、「この店はまずい、しかも高い」というようなことを言ったとき、その後に「だから入るのはよそう」という言葉が続きそうになる。この「よそう」