中金堂再建事業にかけた 25年の熱い思いが、いま結実! 幼い頃に、荒れ果ててしまった興福寺を見て哀しかったと語るのは著者の多川俊映・現興福寺貫首。「自分の代で天平の頃の美しい伽藍を復元する」と心に誓い、境内の整備に邁進してきました。四半世紀の時を経て、2018年10月、ついに落慶となった中金堂の再建は、その中核をなす大事業です。 本書は、その再建に費やした25年間を丁寧に辿った一冊。まずとりかかったのは柱にする良質な太い木材を探すこと。現代の日本ではもはや見つけることができず、なんと!アフリカはカメルーンから輸入することを決断します。その壮大な発想力と実行力からは、この大事業にかける貫首の情熱と執念が伝わってきます。 木材選びから、古代瓦の復刻まで 困難を極めた再建の全容が明らかに!
太田道灌が築城し、徳川家康の天下普請により完成した江戸城。中世以来6度も主を変えつつ豪族館から近世城郭へ発展を遂げ、今も皇居として維持し続ける名城の800年を平易に解説。城内の諸役所や生活も描いた名著。 まえがき/江戸氏の館(江戸の誕生/隅田川に陣した江戸氏/矢口渡の「きたなき男のふるまい」/関東の争乱)/道灌築城(拠点を守る青年城主/城高くして攣ずべからず/文芸さかんな城内/道灌横死/移り変わる領主)/関東転封(江戸城落城/家康の先見の明/雨漏りする城館/漁村と港町の城下/江戸の町づくり)/天下普請(人海戦術の海岸埋め立て/藤堂高虎の縄張り/外国人の見た江戸城/御手伝普請に苦しむ大名/江戸城三代にして完成)/築城術(徴発された農民/紋を刻んだ大名の石/巨石を運ぶ/石垣築造コンクール/江戸材木問屋のおこり/歴戦の御用大工)/江戸城の構造(外角と内郭/厳しい九十二の城門/伏見櫓の人骨騒動/日
漂流を続けたビッグ・プロジェクト、新国立競技場問題から見える現代日本の根本問題とはなにか。そして2020年東京オリンピックを真の祝祭とするために建築家が果たす役割とは。世… 偶有性操縦法―何が新国立競技場問題を迷走させたのか [著]磯崎新 ザハ・ハディドの急死を受けて、磯崎新は「〈建築〉が暗殺された。……悲報を聞いて、私は憤っている。……あらたに戦争を準備しているこの国の政府は、ザハ・ハディドのイメージを五輪誘致の切り札に利用しながら、プロジェクトの制御に失敗し、巧妙に操作された世論の排外主義を頼んで廃案にしてしまった」という追悼のメッセージを記した。なぜここまで強い表現を使い、彼が怒ったのか。 彼女の死の直前に刊行された本書を読むと、その理由がうかがえる。3・11の後、建築界ではコミュニティの問題が注目されたが、磯崎は歴史的なパースペクティブから一連の出来事を論じる。原発事故に触発さ
(光文社新書・842円) 奇天烈さより「リファイニング建築」を 新国立競技場の改築は、呪われたかのようだ。国際コンペでザハ・ハディド案を選出、批判続出で撤回、再コンペで出直し、新案にパクリ疑惑と聖火台不在が発覚、そしてハディド氏の急死。撤回がケチの付け始めだったかのようだが、しかしあのままザハ案で強行していればさらに恐ろしい事態に立ち至っただろう。 売り物のキールアーチは物理的に巨大すぎて施工できず、陸上競技はサブトラックがなく世界選手権に使えず、屋根を閉めると天然芝が死んでサッカー場・ラグビー場にもならず、屋根を開けたままだと八万人を集める音楽イベントは騒音源となり、駅までの導線がないため超満員の聴衆は深夜まで難民と化す。それでいて新築費用の3000億円と毎年の補修費は税金となってのし掛かってくるのだ。 この記事は有料記事です。 残り1040文字(全文1397文字)
紀伊徳川家から8代将軍に選ばれた吉宗。「享保の改革」などの政策や家族関係から、その生涯を辿る。今に残る吉宗ゆかりの史跡を中心に将軍の居城である江戸城を巡り、成立から拡張まで400年に及ぶ歴史と魅力に迫る。 江戸城は今もある―考古散策のすすめ/Ⅰ 徳川吉宗の履歴書(紀伊徳川家相続/八代将軍就任/後継者の成長/隠居・死去/吉宗と家重・宗武/人物相関/【コラム】吉宗の好古・尚古志向)/Ⅱ 江戸城四〇〇年(江戸城の成立/徳川家康と江戸城/江戸城の拡張/儀礼・儀式の舞台/江戸砂子―吉宗時代の名所/【コラム】ヨーロッパ人の見た江戸城)/Ⅲ 江戸城を歩く(皇居東御苑(旧江戸城本丸・二丸・三丸)/皇居・吹上御苑(旧西丸・吹上御庭)/北の丸公園(旧田安家屋敷)/皇居前広場周辺(旧西丸下と評定所・町奉行所跡)/寛永寺有徳院宝塔/東京都立浜離宮恩賜庭園(旧浜御殿)/東京大学大学院理学系研究科附属植物園(旧小石川
群像としての丹下研究室 戦後日本建築・都市史のメインストリーム 著者:豊川 斎赫 出版社:オーム社 ジャンル:技術・工学・農学 黒川紀章など世界的建築家を数多く輩出した東大・丹下健三研究室。丹下健三と丹下研OB、その周辺人物との関係を追い、実作・計画案といかなる緊張関係にあったかを鮮やかに描き出す… 群像としての丹下研究室 戦後日本建築・都市史のメインストリーム [著]豊川斎赫 建築家を語る本は通常、造形デザイン話に社会文明観や哲学談議を接ぎ木する程度だ。本書はそれを遥(はる)かに超える。本書のテーマたる丹下健三が、通常を遥かに超える建築家だったせいもある。彼は個別建築にとどまらず、都市、地域、国土設計にまで大きな足跡を残した。だがなぜそれが可能だったのか? 通常はこれを「壮大な構想力」という一言ですませてしまう。本書の手柄は、その「構想力」の中身を詳細に示したことだ。丹下の構想力の背後に
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