衆院選の投票日を迎えた。 発足したばかりの岸田文雄政権を信任するのか、しないのか。有権者が審判を下す衆院選である。 同時に、9年間にわたった安倍晋三、菅義偉両政権への評価も問われる。 報道各社の事前調査によると、全国289の小選挙区のうち約4割で与野党の候補が接戦を続け、僅差の争いになっている。 小泉純一郎政権当時の「郵政選挙」(2005年)以降、衆院選は与野党で大差がつく結果が続いてきた。それと比べれば、際立った変化である。 いつにも増して、有権者一人一人の投票が、政治の行方を左右するということだ。投票所に足を運び、1票を投じたい。 薄められた岸田カラー 岸田首相は、この衆院選を「未来選択選挙」と銘打って、「新型コロナウイルス流行後の未来を切り開いていけるのは誰なのか」と訴えた。 だが、その未来像を首相は国民に明確に提示しただろうか。むしろ、首相が何を目指しているのか、あいまいさの方が目