【ロンドン=佐藤昌宏】チャールズ英皇太子が、ウクライナのクリミア半島を編入したロシアのプーチン大統領をナチス・ドイツの独裁者ヒトラーになぞらえた発言を行い、英国内外で波紋を広げている。 キャメロン英首相らは火消しに躍起だが、怒り心頭のロシア政府は、英外務省に発言の真意を確認する方針だ。 21日付英紙デイリー・メールによると、皇太子は19日、訪問先のカナダで、ポーランド出身の女性(78)と面会。この女性の家族がナチスのユダヤ人大虐殺で殺害された話を聞き、「プーチン(大統領)はあたかもヒトラーのようだ」と語った。王室関係者の政治的発言は極めて異例。首相は記者団に、「誰でも個人的見解を述べる権利はある」とかばったが、野党・労働党の一部からは「王位継承権を放棄すべきだ」との声も出ている。