近年、大学生の就職活動の時期が早まり、3年生で就職活動を始めることが普通になってきている。問題なのは期間も長期化していることである。就職活動が不首尾の場合、卒業まで延々と続くことになる。そのため、大学関係者の間では教育への悪影響を懸念する声が強い。だが、就職協定が機能し就職活動が4年生の秋口から行われていた時でも、卒論指導の重要な時期を就職活動に忙殺されるのは教育上弊害が大きいと、言われていたものだ。現在に比べればまだましだったと言えるが、それでも企業は大学の教育成果に関しては(特に文系学部では)あまり期待していなかった。大学がレジャー・ランドだと言われていたのは、今に始まったことではないのである。 昔も今も企業が大学教育にあまり期待していないのであれば、就職活動の時期はいつがよいのだろうか。思考実験として、どこまで早められるか考えてみよう。大学教育が人的資本の価値を高めず、単に企業が求め