静岡地裁が3月、再審開始を決定した強盗殺人事件「袴田事件」で、1968年の1審・死刑判決に関わった当時の同地裁裁判官、熊本典道さん(76)=福岡市東区=が毎日新聞の取材に応じ、裁判長らが自白調書1通を証拠採用したのは死刑の結論を導くためだったと明らかにした。熊本さんは「自分は無罪の心証だった」と公言しているが、死刑判決の詳しい経過を証言したのは初めて。当時も裁判所が物証だけでは有罪認定が難しいと判断していた可能性が浮上した。 【特集・袴田事件】「捏造」生んだ「信念」 「犯人視」明記の捜査記録画像も 袴田巌(いわお)元被告(78)=釈放=は、勤務先のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして起訴されたが、66年11月に始まった1審公判で否認に転じた。1審は裁判長と熊本さんを含む陪席裁判官2人が担当した。 熊本さんによると、裁判長も当初は無罪の心証のように見えた。だが、公判中の翌年8月、静
昨日(19日)の記者会見が終わった後ずっと連絡とっていたが、メール含めて連絡はなかった。だが昨日、帰宅途中のタクシー内で片山さんから電話があり、出たところ、「先生すみません。自分が犯人でした」と言った。 片山さんは19日午前12時過ぎ、東京地検から保釈取り消し請求が出ていると聞いて弁護士事務所に向かったが、ネットで「荒川の河川敷にスマホを埋めていた」と報じられ、これが事実だと分かってしまったらだめだと考え、事務所に向かうのやめて、自転車に乗り、死ぬことを考えて、どこかの公園で自殺をはかったが死にきれなかったという。 電車で高尾山に向かって山中を放浪し自分のベルトで首をつろうとしたが切れるなどして死にきれなかった。山を下りて、私に電話をかけた時には電車の音がしてたので線路の近くだったのが分かった。ホームの下の退避壕のようなところにいたが、飛び込めなかった。佐藤さんにお詫びをしようと電話をかけ
パソコンの遠隔操作事件で、19日から連絡が取れなくなっていたインターネット関連会社の元社員、片山祐輔被告から19日夜、弁護団に連絡があり、関係者によりますと、片山被告は「私が犯人だ」と認めたうえで、先週、報道各社などに届いたメールを送ったことも認めたということです。 捜査関係者によりますと、片山被告は現在、都内の弁護士事務所にいるということです。
パソコンを遠隔操作して殺害の予告などを書き込んだとして元会社員が起訴された事件で、先週、報道各社などに届いた自分が真犯人と主張するメールについて、捜査当局が元会社員自身が送信したという見方を強め、調べを進めていることが分かりました。 東京地方検察庁は元会社員の保釈取り消しの請求を検討するものとみられます。 パソコンの遠隔操作事件では、インターネットの掲示板などに殺害や爆破の予告を書き込んだとして、インターネット関連会社の元社員、片山祐輔被告(32)が威力業務妨害などの罪に問われ、ことし3月に保釈されています。 この事件について、先週、報道各社などに自分が真犯人だと主張する人物からメールが届き、「自分が、片山被告のパソコンをウイルスに感染させたうえで、他人のパソコンを遠隔操作したのが事件の真相だ」として詳しい経緯を記していました。 このメールについて保釈後の片山被告の行動や送信に使われた疑い
「何すんねん」が「何数年」? 全国の裁判員裁判で、証人尋問や被告人質問の記録方法が速記から録音に移行する中、裁判所が用意した音声文字化ソフトの“トンデモ誤変換”に弁護人らが頭を悩ませている。音声DVDが裁判所から即日提供されるが、相次ぐ誤変換で連日続く公判の準備にも支障をきたしているのだ。近畿2府4県の各弁護士会は、あえてデジタル時代の趨勢(すうせい)に逆行し、アナログな裁判所速記官の立ち会いを求める声明を出した。■検索にイライラ 大阪弁護士会で主に刑事裁判を手掛ける秋田真志弁護士は昨年、大阪地裁で開かれた傷害致死事件の裁判員裁判で弁護を担当。証人尋問などの公判後に毎回、DVDの提供を受けた。 秋田弁護士によると、裁判所提供の専用ソフトを入れたパソコンでDVDを再生すると、音声だけでなく、画面に法廷での発言者やその内容が文字化されて流れる仕組みだ。単語検索機能もあるが、即座に探し出すことが
22年前の平成4年、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害された事件で、福岡地方裁判所は6年前に死刑が執行された元死刑囚の再審=裁判のやり直しを認めない決定をしました。 平成4年2月、福岡県飯塚市で小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られ、翌日、山の中で殺害されているのが見つかりました。 およそ2年7か月後、市内に住む久間三千年元死刑囚(当時56)が逮捕され、一貫して無実を訴えましたが平成18年に死刑が確定し、その2年後に死刑が執行されました。 家族が再審=裁判のやり直しを求め、弁護団は当時行われたDNA鑑定について新たに開示された鮮明な画像を分析しても本人の型ははっきりと確認できず信用できない、遺留品が見つかった現場付近で本人と同じタイプの車を見たという目撃者の証言は捜査員の誘導だと主張していました。 これに対して検察は、当時のDNA鑑定や目撃証言は信用できる内容で、死刑判決に誤りは
22年前、福岡県飯塚市で、小学生の女の子2人が殺害された事件で、すでに死刑が執行された元死刑囚の再審=裁判のやり直しを認めるかどうか、福岡地方裁判所が31日に決定を出します。 死刑が執行された元死刑囚の再審が認められたことはなく、裁判所の判断が注目されます。 平成4年2月、福岡県飯塚市で、小学1年生の女の子2人が登校途中に連れ去られて山の中で殺害されているのが見つかり、およそ2年7か月後、当時56歳だった久間三千年元死刑囚が逮捕されました。 捜査段階から一貫して無実を訴えましたが、平成18年に最高裁判所で死刑が確定し、その2年後に執行されました。 家族が再審=裁判のやり直しを求め、弁護団は当時行われたDNA鑑定について、新たに開示された鮮明な画像を分析しても本人の型ははっきりと確認できず信用できない、遺留品が見つかった現場付近で本人と同じタイプの車を見たという目撃証言は捜査員の誘導だ、など
東京都の猪瀬直樹前知事(67)が徳洲会グループ側から5千万円を受け取った問題で、東京地検特捜部は28日、猪瀬氏を略式起訴した。検察当局内部で処分に関する意見が分かれる中、一定の“落としどころ”を探った形だ。猪瀬氏の資金提供問題は幕引きとなったが、捜査関係者は「猪瀬氏が立件されるなら、『同種事案』の捜査は避けられないかもしれない」と指摘する。同種事案とは、みんなの党の渡辺喜美代表(62)の8億円借り入れ問題を指す。政界を揺るがす「第2の猪瀬問題」が事件となるのか-。特捜部の対応に注視している。
公選法違反の罪で略式起訴され、記者会見で謝罪する東京都の猪瀬直樹前知事=28日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ 徳洲会グループからの5千万円受領問題で東京地検特捜部は28日、 猪瀬直樹 (いのせ・なおき) 前東京都知事(67)を略式起訴した。検察は早い段階で贈収賄での立件を断念し、公選法の適用にも内部で意見が二分。不起訴にすれば検察審査会の議決に基づく強制起訴も予想される中、落としどころを探った末の決着となった。 ▽把握 「都知事選の応援について猪瀬氏は1億5千万円とか言っていましたが、結局は1億円を先にくれ、残ったら返すということでした」 都知事選を1カ月余り後に控えた2012年11月19日。徳田毅衆院議員(辞職)が、難病で療養中の父 徳田虎雄 (とくだ・とらお) 前徳洲会理事長(76)に電話で報告した。 声を出せない虎雄氏が文字盤を目線で指し、秘書を介して応じる。 「とりあえずは5千
画期的な決定だった。再審開始や死刑の執行停止だけでなく、拘置の執行を停止し、有罪判決の決め手となった証拠が「捜査機関によってねつ造された疑いのある」ことも明記されていた。これによって、死刑囚が再審開始決定を受けてすぐに釈放されるという、戦後初めての急展開となった。 釈放された袴田巌さんと姉の秀子さんDNA鑑定の威力本文は68ページ。再審請求審の決定書としては、さほど長くはない。裁判所の判断の説明はDNA鑑定から始まる。この決定書を読んで、改めてDNA鑑定が裁判所に与える影響は強い、と感じた。足利事件や東電OL事件も新たなDNA鑑定によって再審開始が決まったが、今回もDNA鑑定が再審開始の大きな根拠となった。 事件発生から時間が経過していることや保管状況などから、検察側は試料の劣化や捜査員らのDNAが付着するコンタミネーションの影響を強調したが、裁判所は(1)血液に由来するDNAは試料中に長
死刑囚の再審開始決定と釈放が同じ日に行われるのは初めてとなる。この異例の司法判断の根底には「袴田事件」における検察・警察の捜査手法への強い不信感がある。 静岡地裁決定は「捏造(ねつぞう)された疑いのある証拠で死刑の恐怖の下で身柄を拘束された」と、捜査の全否定とも取れる表現で検察・警察を批判。「正義」という言葉まで使い、約48年に及んだ袴田さんの身柄拘束を解くことを認めた。 決定では5点の衣類について「捏造と考えるのが合理的」とし「捏造をする必要と能力を有するのは警察をおいて他にない」と踏み込んだ。 決定が重きを置いたDNA型鑑定について、検察内部では当初、別の犯人の存在を指し示す鑑定結果が出た足利事件などとは「根本的に違う」という見方が支配的だった。 しかし、そうした判断を地裁は一蹴し、近年のDNA型鑑定を重くみる潮流に沿って袴田さんの犯人性を否定した。静岡県警幹部は「本当に証拠の
午前10時過ぎ、静岡地裁前。「再審開始」と書かれた布が掲げられると、詰めかけた数百人の支援者から「やったー」「よし」と歓声があがった。 1967年に茨城県で起きた強盗殺人事件「布川事件」で再審無罪が確定した杉山卓男さん(67)は「自分のことを思い出し、2倍の喜びを感じた。まだまだ日本の裁判所も捨てたもんじゃないと思った」。東京拘置所で袴田元被告と過ごした経験を振り返り、「その時から無実だと思っていた。拘置所から出てきたら、一緒に酒を飲もうと言ってあげたい」と話した。 同じく「布川事件」で再審無罪が確定した桜井昌司さん(67)は「自分のことよりもうれしい。家族も大変だったと思う。本当に良かった」と目を潤ませた。 元被告を支援し続けてきたボクシング元世界王者の輪島功一さん(70)は「やったという感じ。15ラウンド最後のゴングだ。釈放されたら、一番いい席でボクシングを見てほしい」。 97年に起き
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