読書感想文:『人びとのなかの冷戦世界ー想像が現実となるとき』ー「災害ユートピア」の後始末譚、あるいは、なぜ我々は原発事故のあとに「風評」という社会的装置を必要とするのか? 1950年の朝鮮戦争期のアメリカ、日本、中国を中心とした世界的な社会変化を、冷戦世界観がどのように凝固していくかという観点から読み解いた内容になる。 毎日新聞の書評で、日本近代史を専門とする加藤陽子さんの書評で その本を読む前と後で、目の前の風景が違って見える本に何冊出会えるかで人生は変わってくる。今回取り上げる本は私にとってまさにそのような一冊だった。 とまで評されている。学問的な意味のでの評価は私にはできないが、本書で提起されている問題把握のしかたは、読んでみると確かにそうだ、なぜ今まで気付かなかったのだろうと思えるようなものだ。 第二次世界大戦の参戦国は、戦後、「人びとの社会戦争」と呼ばれる社会の分断——戦争中の非