「石炭火力を歴史に追いやる」――。産業革命始まりの地である英国が、世界の脱炭素化への取り組みで、主導権を握ろうと躍起になっている。31日から自国で開催する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、異例となる首脳級会合を設け、バイデン米大統領、岸田文雄首相ら120カ国以上のトップが集う見通しだ。だがジョンソン英首相は過去に、気候変動に懐疑的な姿勢をみせていたこともある。「変節」の背景には何があるのか。【横山三加子(ロンドン)、八田浩輔】 脱炭素を主導する英国 「われわれは世界全体の排出量実質ゼロに向けた取り組みをリードするとともに、この戦略は(新型コロナウイルスの影響からの)グリーンな復興の模範となる」 今月19日、ジョンソン首相は自国の温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにするための新戦略を打ち出した。35年までに国内の電力すべてを再生可能エネルギーや原子力といっ