◇財政難、優先度低い後継機 小惑星探査機「はやぶさ」が地球へ帰還し、小惑星イトカワの砂などが入っていると期待されるカプセルが14日、オーストラリア南部のウーメラ砂漠で回収された。はやぶさは多くのトラブルに見舞われながらも、計画した世界初の新技術のほとんどを達成した。はやぶさが打ち立てた日本の宇宙技術の金字塔を、政府は今後どう生かすのか。長引く財政難から、実用に結びつきにくい研究に厳しい視線が注がれる中、未到に挑むこうしたプロジェクトの将来は依然として不透明だ。 「はやぶさの運用が終わったこの瞬間から技術の離散、風化が始まっている。次の計画がなければ、メーカーも技術者を他の事業に回し、ノウハウ伝承の機会も失われる」。帰還の喜びにわいた14日未明の会見で、プロジェクトを率いる川口淳一郎・宇宙航空研究開発機構(JAXA)教授は語気を強めた。 はやぶさプロジェクトに200人以上を送り出したNECは