「赤毛のアン」の翻訳者の村岡花子の母校で知られ、キリスト教に基づく教育を掲げる東洋英和女学院(東京都)のトップが懲戒解雇された。著作に引用するため、架空の神学者や論文を捏造(ねつぞう)し、研究者や学内の調査委員会に対する説明も二転三転させた。 副学長、厳しい言葉で指弾 「でっちあげ」。10日に同学院が開いた会見では、調査委員長の佐藤智美・東洋英和女学院大学副学長が深井智朗氏の不正行為について厳しい言葉で指弾した。 「実在しない人物や論文及び借用書から捏造」「根拠なく結論が導き出された」――。人文系の研究不正では異例の捏造行為について、調査結果でも「極めて悪質」と切り捨てた。 問題となった「ヴァイマールの聖なる政治的精神」は、近代ドイツの神学を政治や社会との関係から描いた本。そこで引用した論文とその著者について、調査委はその双方が存在することを示す資料を求めた。しかし深井氏は、どちらも裏付け