第24回大衆文学研究賞の授賞式が先日、東京都内であった。大衆文学部門『近代日本奇想小説史 明治篇(へん)』(ピラールプレス・1万2600円)の著者の横田順彌(じゅんや)さん、大衆文化部門『戦後エロマンガ史』(青林工芸舎・1890円)を書いた故米沢嘉博さんの妻の英子さんが出席した。 『奇想小説史』は約1200ページの大作。「長年SF作家生活をしてきたぼくが、おもしろいと思った現在の小説史ではジャンル分けできないナンジャモンジャ小説」とある通り、科学小説、冒険小説、怪奇小説、ファンタジー、その他もろもろが網羅されている。 横田さんは1971年に作家になったが、デビュー前に小松左京さんから「SFの歴史は大切だよ」と言われ、すぐにこの仕事に取り組み始めた。ライフワークとも言える作品で、刊行時に小松さんに届け、手に取ってもらったのがうれしかったという。 『戦後エロマンガ史』も、すさまじい労作だ。カス