洋菓子製造のシベールが山形市蔵王産業団地の本社工場敷地に建設した図書館とアリーナが完成し、16日に図書館がオープンした。図書館は山形県川西町出身の作家井上ひさしさんの蔵書を集めた「遅筆堂文庫」(同町)の「山形館」として地域住民に開放される。 複合施設は4階で、延べ床面積は約4800平方メートル。図書館は井上さんが遅筆堂文庫の蔵書のうち3万冊を巡回させる形で預託し、将来的には6万冊に拡大する。 井上さんの著作のほか、国内外の古典や名作、スポーツ関係書、手塚治虫漫画全集など幅広い分野の本を集めた。貸し出しはなく館内閲覧のみで、しおりなどに井上さんの直筆メモを見つける楽しみもあるという。 16日には井上さんの講演会が開かれ、井上さんは「循環させ、沸騰させることで力が生まれるものもある。この実験を成功させ、新しい仕事の教科書にしたい」と施設への期待を語った。 開館記念として、井上さんと親類