ロシアによるウクライナ東部クリミア半島の併合の余波で、オランダ・アムステルダムの博物館が展覧会用に借り受けたクリミアの秘宝の返却先が、宙に浮いている。ロシアとウクライナ双方が「我が国のもの」と主張しているためだ。 アムステルダム大学併設のアラードピアソン考古学博物館は2月初め、展覧会「クリミア 黒海の黄金と秘宝」を始めた。紀元前7世紀から紀元後4世紀のクリミアの装飾品や武具計数百点を、五つの博物館から借り受けて展示している。 東洋からシルクロードを渡ってきたものもあり、「何度も他民族の征服、支配を受けて、東西文化が入り交じるクリミアを体現している。国外にこれほどの数が貸し出されるのは初めて」と宣伝していた。