現代に描かれたオリンピアのゼウス像の想像図。(RECREATION BY LOOK AND LEARN/BRIDGEMAN/ACI) 古代ギリシャの都市国家エリスに位置するオリンピアの聖域には、ゼウス神殿があり、かつては金の衣をまとった巨大なゼウス像が祭られていた。ゼウス像は壮麗な玉座に腰かけていたにもかかわらず、高さは約12メートルもあったという。紀元前1世紀の地理学者ストラボンは、「ゼウスが立ち上がれば、頭が神殿の屋根を突き抜けてしまうほどの大きさ」だと記している。 職人の技は驚くほど精緻で、複雑な彫刻や装飾が施され、目には貴重な宝石が使われていた。この像は紀元前225年には、ビザンティウムの数学者フィロンやシドンの作家アンティパトロスなどにより、「世界の七不思議」の1つと呼ばれていた。この七不思議のリストには、他にはギザの大ピラミッド、バビロンの空中庭園、アレクサンドリアの大灯台、マ