はじめに 令和2年(2020年)11月現在の日本は、皇位継承有資格者が片手で数えられるほどしかおられず、「皇統断絶」も危惧される状況にある。それゆえに政府は、「安定的な皇位継承」を確保するための策を検討している最中だ。 もし皇統が断絶してしまえば、当然、日本国憲法に書かれている国事行為が全て実施できなくなる。憲法も皇室典範も改訂できないため、新たな天皇を擁立することも法的に不可能である。国家が深刻な機能不全に陥ることは間違いない。 現代日本においては、皇統断絶は国家的危機を意味する。しかし、世界には、継承有資格者が全滅した際の対応についてあらかじめ定めている非常に用意周到な君主制国家――日本人の目には「不謹慎」と映るかもしれない――も多数存在する。 オランダ王国 万が一の事態に備えて、オランダ王国憲法は王統断絶の際の対応について以下のように定めている。 【第30条】 王位継承者がいない場合