耳切り事件-ゴッホファンならずとも知っている出来事であり、ゴッホを語る上で話題にのぼることがもっとも多い事件の一つである。左の「包帯をしてパイプをくわえた自画像」を知っている人は多いのではなかろうか?左の作品は耳切り事件後、アルルのアトリエで描かれたものである。 一般的に知られているのは、「画家ゴーギャンとの共同生活がうまくいかず自傷行為に至ったのではないか」ということである。それは概ね正しい。しかし、それはあくまで実際に起きた事実でありゴッホの気持ちの機微などにまったく触れられていない。ここでは「なぜゴーギャンとうまくいかなかったのか」「なぜ自傷行為に至ったのか」等、筆者なりに文献を研究して考察した。 分析 ゴーギャンとの共同生活を分析 ゴーギャンがアルルに来たのは1888年10月23日、耳切り事件は同年12月24日、約2ヶ月間ゴッホはゴーギャンと過ごした。ゴッホは当初テオに「2人はいっ