朴槿恵大統領を巡るスキャンダルで、野党第一党の「共に民主党」はすでに権力を手にいれた気分だ。与党のセヌリ党は茫然自失の状態で次期大統領候補を誰にするか、その見通しも立たない。政治は、外交も内政も機能停止状態に陥っている。 日本では理解されないが、背景には左翼勢力と保守勢力との歴史的な両極対立がある。政権末期に大統領スキャンダルが噴出する「韓国病」と、「儒教的後進政治」がもたらす悲劇である。 ただし、野党指導者らは朴大統領に「即時退陣」は要求はしていない。同大統領が辞任する可能性は、極めて低い。 今、大統領選にしても得はない 朴槿恵大統領の政治力不足が今回の混乱を招いた第一の原因であると、韓国のジャーナリストや政治家、政府高官経験者は指摘する。 韓国では、朴大統領を「不通(話が通じないの意味)大統領」と呼ぶ。記者会見をせず、支援しようとする元老たちを近づけず、忠告も聞かない。閣僚や大統領府の