Tweet 漫画家・こうの史代の人気作を『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督がアニメ化した話題作『この世界の片隅に』。アニメーションならではの、その魅力をアニメ・特撮研究家の氷川竜介氏に解説していただきました! 「戦争を描いた暗い映画はイヤだな」と、つい先入観をいだいてしまう方も多いかもしれませんね。たしかに大戦末期の後半にはそんな部分もありますが、決してそれだけではありません。「可愛らしさ」「穏やかさ」「喜び」といった感情も随所に描かれ、アニメーションならではのキラキラした輝きが、映画の最後までたくさん散りばめられています。ここではその一部を紹介してみましょう。 ●空想力豊かなヒロインの魅力 主人公は“すずさん”と呼ばれる女性。物語は彼女が8歳のとき、「人さらいのバケモノ」に遭遇するところから始まります。頭に浮かんだことを軽々と絵にできる“すずさん”は空想力がつよすぎるせいか、どこ