転売のお話続編.ちなみに以下で出てくる「余剰」とは消費者ならば「最大限払っても良い額と実際の購入価格の差」,転売者・生産者については利益と考えて読んでください.取引に関わる全員の余剰の和が総余剰です. まずは復習(?)から よほど特殊な状況を想定しない限り,メーカーの売り出し価格で「需要>供給」となる市場では, ・総余剰は必ず「転売あり」の方が高くなる ……くじ引きよりも確実に商品への評価が高い人が入手できるから ・消費者余剰も「転売あり」の方が高くなるコトが多い ……商品評価が非常に高い人がいる一方で,評価額があまり高くない人が多数存在するという「いかにも転売が発生しそうな状況」では消費者余剰そものもの転売によって増加する可能性が高い にもかかわらず,消費者が転売を嫌うのは,低評価消費者は定価のままならば「買えたかもしれない」のに,転売があると絶対に買えない(買わない)……その結果,自身
にわかに転売問題が話題になっています(完全に乗り遅れました).模型・フィギュアなどの専門誌『月刊・ホビージャパン』の編集者がtwitterで転売行為を容認する発言をしたことに端を発するこの問題(元の発言を正確に知りたい方は→リンク),要約すると, ・転売を憎んでいる人は(高いから)買わなかった人だ ・生産元としては生産した分売れてるんだから文句ないだろ (・量販店での値引き販売のほうがよほどつらい) といったもの.内容の不用意さはさておき,500フォロワーのアカウントのつぶやきがいきなり炎上し,解雇処分とは……ほんとtwitterってリスクでしかなくなりつつあるなぁ.本エントリの主題ではありませんが,この解雇の方が(その気になれば)法的には問題となる可能性高いと思う. 世の中としては「転売ヤーけしからん」「それを擁護する発言などもってのほか」で発言者を叩いて終わりでしょうが,これに黙ってい
今週の日本銀行政策決定会合(18日-19日)では,マイナス金利政策・YCC(イールド・カーブ・コントロール)・リスク資産買入が停止されました. ・2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。 ・短期金利の操作を主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営する 「金融政策の枠組みの見直しについて」2024年3月19日とのこと.あわせてオーバーシュート型コミットメント(2%を超えるまで金融政策方針を変えない)についても,足下のインフレ率が3%を超えていることから要件を満たしている考えているようです. 長い前置き 国際的な資源高と円安によって上昇したインフレは沈静化しつつあり,物価上昇率が安定的に2%前後を維持できるか微妙な中でなぜ金融緩和姿勢の後退……と受け止められかねない政策変更を行ったのかには大いに疑問です. その一
【無料】名目GDPと実質GDP大切なのはどっち? [解説・講座] 名目GDPと実質GDP大切なのはどっち?【前半】2023年10-12月期GDP一次速報解説【後半】GDPとは何か+...
【解説】2024年の株式市場に死角はあるか【上念司】 [社会・政治・時事] 上念司さんとの第一回生放送...は論壇話でしたが,この二人で経済情勢の話をしないのはむしろ不...
さて中学受験シーズンまっただなか! そして今日は首都圏の(多くの)受験生にとっての天王山である2/1ですよ! ※本日のエントリは2年前の2/1のエントリの改訂版です ※※今日の話はかなり論理がこみいっています.本稿での「言いたいこと」とその是非は最終行を読んでから判断してください... 30うん年前の泰之君も2/1には開成を,2/3には海城を受験しました.開成は当然不合格.確か慶應中等部1次試験(1次は受かったけど2次で落ちたのでやはり慶應はろくなもんじゃないと思う^^)の帰りに海城の合格を知り……めでたく13歳の春をむかえたわけであります.また,学部生の時には栄光ゼミナール,後にTAP(SAPIXの母体……90年代にはまだ勢いがあった)の講師として中学受験に関わりました. とはいえ,今日は思い出話をしようというのではありません. 中学受験ってホントに意味があるん!?!? というお話をしま
先月の『中央公論』特集に「日本に横たわる格差と格差 " 感 "」という小文を寄稿しました.特集そのものは親ガチャ問題に代表される格差の継承についてなのですが,テーマの真ん中は多くの人が書くようなので,少し変化球で「主観的な格差意識」に注目しています. 上記記事では「理想の家族」という幻想が主観的格差を生み出すという点に注目していますが,今回は東京一極集中から主観的格差が生まれる理由についてお話します. 固定費とシュワーベの法則 所得格差や資産格差--それ自体も確かに問題なのですが, ・日本の所得格差は過去10-20年で横ばいかやや改善気味 ・そもそも日本の所得格差や資産格差は海外に比べるとかなり小さい にもかかわらず,意識調査では「格差を感じる機会が多い」「格差が拡大している」という回答が増加している. このような客観的格差と主観的格差(格差意識)の乖離の原因として,あげられるのが固定費の
さて本日は本の紹介・感想にかこつけて,最近時々話題にしている.「凡庸な優秀さ」についてのお話です. 映画や,最近だとマンガやそのドラマ化などで話題の「ギフテッド(gifted)」ですが,今回紹介するのはこちらの書籍. 連載中にも何度か目にしたことがある,朝日新聞の連載をもとにした書籍.読後第一の感想は……「二人の著者(記者)は正直な人だな」です.その理由は後程. ギフテッドとは ギフテッド(gifted)という単語そのものは「与えられた人」...…ここから「天賦の才能を神からgiftされた人」という意味になる.talentedと似てるけど,talentedはスポーツや芸術・表現等の分野での特異な才能/giftedは知的な才能について用いられる傾向があるそうな――ただし,上の連載・書籍ではやや広い定義として, ・並外れた才能ゆえに高い実績をあげることが可能な子ども ・実際目に見えて優れた成果
あーあーあー^^ またこういう「データ」が出てきてしまった.そして相も変わらず「増税のせいで婚姻・出産が減っている」みたいなtweetpostがちらほら... 計量経済学の入門講義で必ず勉強するはずの「トレンドをもつ変数同士」なわけです.長期的に上昇している国民負担率と同じく長期の下降トレンドにある出生・婚姻の単純な相関とりゃ...そりゃバリバリマイナスなわけですよ. 例えば...大学進学率と癌での死亡率はともに戦後上昇を続けています.両方+トレンドあるから相関係数もかなり高い.でも両者の因果なんて誰も言わないでしょ? ところが,同様の見せかけ上の相関だったとしても・・・国民負担率と婚姻数みたいな「なんか関係あってもおかしくない」データ同士だとついついトレンド問題が頭から消えちゃうんだよね. ついでにこの国民負担率と出生・結婚はトレンド以外にも見せかけ上の相関をつくりやすい関係がある.国民
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