■40代男性の即物的欲望しか描けない"ロボットアニメ"の残念さ 張 『機動戦士ガンダムUC』(以下、『UC』)、おもしろくなかったわけではないのですが、はっきり言ってしまうとこれまでのガンダムシリーズの二次創作にすぎないというか、結局30年経っても富野由悠季さんの引力から逃れられていない、というのが全体の感想です。私は正直にいえばそこまでガンダムにすごく詳しいわけではないので、今回この対談の前に、香港のガンダムファンコミュニティで一番有名で”香港のシャア”いう異名も持つショーイ・リョーン(梁栄忠)さんという方にも意見を聞いたのですが、彼も同じ感想でした。彼は「富野ガンダムと比べて新しい観点があるかどうか」という評価基準なのですが、その点で結局『UC』は富野ガンダムを超えることができずに、ガンプラの宣伝アニメにしかなれなかったのではないか、と。そうした発展性の無さがはっきりわかるのは、戦闘シ