9・11と、3・11――。 一方は航空機衝突(テロ)の直後に、高層タワーが崩壊した。もう一方は世界最大級の地震直後に、巨大津波が人々を飲み込んだ。いずれも「ありえない」ことが立て続けに起きた。 そんな想像を絶するような大惨事に遭遇した時、人はどのように反応し、どう行動するのだろうか。 東日本大地震から約2カ月。余震や原発問題が続き、復興へ向けた必死の取り組みが始まったばかりだ。人々は、いまだ今回の震災による防災の教訓を得るには至っていないのが実状だろう。 しかし、「次」に備えるため、できるだけ客観的にリスクへの対処法を知っておきたいと思う。その一心で本書を手にした。 これは、「タイム」誌のシニアライターである著者が、2001年の9・11テロや2005年8月のハリケーン「カトリーナ」などに遭遇して生き残った人たちにインタビューした本である。 災害時に動作がのろくなるのはなぜか? 最も興味深か