前に触れたニコラス・バー教授は、年金財政問題の解決策には次の4つしかなく、これらが含まれていない年金財政改善策は幻想であると論じています。それは、(1)年金月額の切り下げ(2)年金月額が一定のままでの支給開始年齢引き上げ(3)保険料引き上げ(4)国内生産物の増大――の4つです。「Output is central(生産物こそが重要)」の観点から、生産物の増大が年金財政を改善する政策であり、積立
これまで積立方式は少子高齢化の影響を受けないと主張していた人たちは、積立方式も影響を受けると指摘されると、積立方式にすれば貯蓄が増えて生産物も増えると言ったり、資産を海外で運用すれば国内の生産物を増やせると言ったりします。しかし、これも随分と前から考察され、積立方式の方が将来の生産物を増やすという説が成立するには厳しい前提条件がいくつも必要で、研究の世界ではそうした条件がそろうことは難しいという
2013年1月、東京で開催された国際通貨基金(IMF)の公的年金に関するシンポジウムで、これまで社会保障研究に多大な貢献をしてきたニコラス・バーLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)教授は、研究者には周知でも、一般にはあまり認識されていない事実を強調していました。「生産物こそが重要(Output is central)であり、年金受給者は金銭に関心があるのではなく、食料、衣類、医療サ
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