ある日の午後、だるそうに診察室を訪れた1人の女子高生。「部活動でバスケットボールをしているのですが、なんだか最近、授業にも部活にも集中できなくて・・・。集中力がもたず、体がだるくて重いんです」と言う。 採血したところ、診断は貧血。血中のヘモグロビン量が減っていた。 これは、診療室ではありふれた光景だ。実は今、部活動でスポーツをしている中高生や大学生の貧血が深刻な問題となっている。特に女子の貧血は深刻だ。 平成21(2009)年度、高知県競技力向上対策事業の一環として、国体強化指定選手のメディカルチェックが実施された。 強化選手の4分の1が貧血 第64回国民体育大会の強化指定選手である中学生、高校生、成年170人を対象に採血を実施し、ヘモグロビン値を測定したところ、25.3%に貧血が認められた。 成年女性が50%と最も高く、次いで高校女子が27.9%、高校男子が24.7%と続いた。さらに、貧