「もう消えたい。話しかけんといて」 「1個しか命ないんやから、大事にしなさい」 1月末、近畿地方の公立中学校。「総合的な学習の時間」に1年生が2人1組になり、「消えてしまいたい」と打ち明ける役と、打ち明けられる役を演じる「ロールプレー」に取り組んでいた。 打ち明けられる側の生徒は「叱る」「励ます」「感情を理解する」の3パターンを演じてみて、感想を言い合う。「叱られたら、傷つくと思う」「励まされるのは結構よかった」――。生徒たちの受け止めはさまざまだ。 担任(当時)の30代の女性教諭が語りかける。「どうしていいかわからないなら、よい聞き手になることで十分。でも自分たちで解決できない時は、信頼できる大人につないでほしい。あなたたちを見守っている人がたくさんいることを忘れんといてほしい」 この中学校では15年度から「いのちの学習」に取り組む。兵庫県加古川市教育委員会の学校支援カウンセラー、阪中順