食事介助を行う介護職員。島根県浜田市でも深刻な人手不足が続いている(写真の人物と本文は関係ありません)=同市で、竹内之浩撮影 ひとり親家庭を対象にした移住促進策として、浜田市が全国に先駆けて2015年度から始めた「シングルペアレント介護人材育成事業」。介護施設での勤務を条件にした最大約400万円の支援は大きな反響を呼んだが、移住した13世帯は現在、7世帯と半減した。曲がり角に立つ事業の今を調べた。【竹内之浩】 「子どもに『お母さん、変わったね』と言われた。私が精神的に安定して話しかけやすくなったようです」。小学生男児2人を持つ東日本出身の40代女性が語る。離婚のつらい思い出が残る古里を離れたかったのと、事業の手厚い支援に魅力を感じて応募。現在は市内の特別養護老人ホームで働き、来年の介護福祉士試験を目指して勉強を続ける。「浜田に来た決断は正解だった」と力を込めた。
学生向け賃貸住宅市場が活況だ。大学進学率の上昇や外国人留学生の増加を追い風に、付加価値を高めたマンション・寮の開発が進んでいる。賃貸市場は空き家の増加が影を落とすが、学生向けは安定成長が見込めるとして新規参入が相次いでいる。(田村慶子) 充実の住環境 周辺に大学が集まる東京都豊島区の住宅街で、東急不動産が初めて手がける学生マンション「キャンパスヴィレッジ椎名町」が3月に開業した。全167室は完成前に予約で満室。人気の理由は、学生や親が喜ぶ至れり尽くせりの施設・サービスだ。24時間対応で警備員が駆け付ける防犯対策、居住者が交流できるカフェテリア、栄養士による健康的な食事…。古くて粗末な学生アパートのイメージとは雲泥の差だ。 東急不動産ホールディングスは、このマンションを運営する学生情報センター(京都市、ナジック)を平成28年11月に子会社化し、学生マンションに本格参入。関西でも初の物件「キャ
海が見える家で待ってるよ――。暴力団から離れ、少年たちの立ち直りを支援してきた牧師がいる。血液のがんとの闘病を経て先月、新たな受け入れ施設を開いた。「安心して『ただいま』と言える場所を」との思いを込める。 施設は、市街地の先に大阪湾が見える高台の一軒家だ。「この眺望は『帰って来たい』と思わせる演出」と、神戸弟子教会(神戸市灘区)の牧師・森康彦さん(59)は笑う。非行や虐待被害で家庭に戻れない15歳以上の少年を3人ほど受け入れ、寝食を共にして20歳まで見守るつもりだ。 少年・少女の立ち直りを支援するNPO法人「ホザナ・ハウス」を2011年に設立。受け入れ施設は、これで3カ所目になる。今回は少年限定だが、少女用シェルターも。門限(午後10時)と消灯時間(同11時)を守れば、働いても働かなくても、勉強してもしなくてもいい。時には将来への助言を与えつつ、約50人を社会に送り出してきた。 ■洗礼受け
福島原発被害訴訟原告の藤原理恵さん(仮名、47)が子ども2人を連れて3月24~25日、ドイツの2都市を訪れ、東日本大震災から7年間におよぶ苦難の生活について講演した。藤原さんは被ばくから子どもを守るため、福島県いわき市から東京に「自主避難」中で、同じく自主避難の2組の母子とともに、国連人権理事会出席のために渡欧した。フランスでも講演し、深刻な放射能汚染や健康被害などの「福島に帰れない理由」を訴えた。(ドイツ・アーヘン=川崎陽子) 「3.11から7年後の問題の実情を知ることができた」と感想を述べる国会議員のオリバー・クリシャー氏東日本大震災が起きた時、放射能被ばくによる健康被害の予備知識があった藤原さん一家は、福島第一原発の冷却がおかしくなるだろうと予測し、すぐに車で風上に逃げた。 原発事故後も、自宅のあるいわき市には政府からの避難指示は出なかったため、東京の避難所では、同じく福島から避難し
児童が急増して大阪市中心部の小学校の教室不足が見込まれている問題で、市が対策案を明らかにした。高層マンション建設が相次いで子育て層の「都心回帰」が進むなか、小中一貫校の新設や、近くにある公園を小学校の運動場として使う案も掲げ、対応を急ぐ考えだ。 3月29日、大阪市役所で開かれた「市内中心部児童急増対策プロジェクトチーム」の第3回会議。今後の教室不足で「特に課題がある」とされた9校の学級数の推計値が提示された。4校は現在の敷地での対応を基本とするが、増加傾向が続く5校で具体的な対策を進めることを確認した。 北区の扇町小(保有する普通教室数24)は2017年度の13学級が10年後の27年度には28に倍増し、40年度には31に至ると見込まれる。西区の西船場(にしせんば)小(同30)も、17年度の16学級が27年度には31になる。さらに近隣の花乃井(はなのい)中学校(同18)も連動して教室が足りな
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