全国の自治体で「手話言語条例」の制定が広まる中、乳幼児期の手話習得の機会を行政が確保するという全国初の取り組みを盛り込んで3月に施行された大阪府の条例に注目が集まっている。手話は独自の文法を持つ言語だが、使用が禁じられた歴史を背景に、習得に関する法的な規定はなく、民間任せなのが現状だ。府は民間のノウハウを活用し、来月から乳幼児と保護者を対象にした「手話教室」を始める予定で、当事者団体からは「画期的な条例。全国に広がってほしい」と期待が寄せられている。(藤井沙織) ■民間と連携 子供たちが一心に見つめるのは絵本と手話。無音の読み聞かせが終わると、手を動かしながらうれしそうに笑った。 京都市の社会福祉法人が2年前に始めた聴覚障害のある乳幼児と保護者らの集いの場「にじっこ」での1シーン。「子供たちは手話での会話を楽しむようになり、保護者もどんどん明るくなっていく」と自身も聴覚障害のあるスタッフの
米ハワイの空港で1月、聴覚障害のある日本人観光客の女性が尋問された際、手話通訳を頼んだのに拒否されたとして、人権団体の全米市民自由連合(ACLU)は11日までに米国土安全保障省に対し、障害者の権利を保障する法律に違反したとして調査などを要求した。 ACLUなどによると、女性は1月31日、ハワイに住むボーイフレンドを訪ねるためハワイの空港に到着したところ、税関・国境警備局から過去の米国留学などについて質問を受けた。女性は受け答えのために手話通訳を要求したが拒否された。(共同)
華やかな「お練り」で幕を開けた、「にっぽん文楽」の伊勢神宮特別奉納公演。会場には字幕用タブレットやイヤホンガイドなどが用意され、「史上初のバリアフリー文楽」と銘打って開催された。 「にっぽん文楽」は、伝統芸能「文楽」の魅力を広く伝えるために立ち上がったプロジェクト(主催:日本財団)。檜(ひのき)を贅沢に使用した組み立て式舞台を用いた屋外公演で、江戸時代に庶民が親しんだ「遊芸としての文楽」を再現している。 組み立て式舞台によって、開放的な屋外で文楽を鑑賞(演目「二人三番叟」) 公演は4回目を迎え、「日本文化の原点」と称される伊勢神宮での開催が実現。2017年3月11〜14日の4日間、昼夜計7回の公演(13日夜公演は雨天中止)で約2300人を動員した。 屋外で飲食しながら伝統芸能を楽しむ「にっぽん文楽」 連日満員となり、大盛況で幕を閉じた(演目「義経千本桜 道行初音旅」) 文楽の魅力をお練りで
音の振動を利用して音楽を楽しめるスピーカーを九州大の大学院生3人がデザインした。「聴覚障害者も体全体で音楽を感じてもらえれば」というアイデアの独自性が評価され、工業製品のデザインを競うアジア大会で最優秀賞に輝いた。 受賞したのは九州大学大学院芸術工学府修士2年の水野諒大さん(24)、小川慧さん(24)、河野圭紀さん(24)。3月に台湾で開かれた大会で7カ国・地域の学生代表11チームの頂点に立った。主催した設計ソフトウェアの開発・販売大手「オートデスク」(本社・米国)によると、大会は人材育成のため毎年開催しており、日本人の最優秀賞は8回目の今回で初めて。 昨年の国内大会で、水野さんは「マドラーなしで粉末を溶かすコップ」でものづくり部門の最優秀賞を獲得した。側面や底に突起を付けたコップを3Dプリンターでつくり、水と粉末を入れて手で回すだけで簡単に溶かせる仕組みだ。 これでアジア大会の出場権を得
全日本ろうあ連盟調査 多様な言語環境整備の動き 「手話」を言語として位置づけ、普及やそのための環境整備などを進める「手話言語条例」の制定が全国の自治体で広がっている。聴覚障害者で組織する「全日本ろうあ連盟」(本部・東京)によると、2月末現在で9県56市8町の73自治体で成立し、大阪府など19自治体が準備中と、多様な言語環境を整備する動きは活発だ。条例の内容はさまざまだが、手話の普及や理解を推進するために、具体的な施策を打ち出す自治体も多い。 手話言語条例は、2011年に定められた「障害者基本法」で手話が言語として認められたのを受け、自治体で制定が始まった。聴覚障害者が生活しやすい環境を整備することを目的としている。13年に鳥取県で初の条例が制定され、同年に2自治体、14年に8自治体、15年に22自治体、16年が41自治体とかなりのスピードで広がった。
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