1月12日の衆院予算委員会での拉致問題をめぐる質疑で安倍晋三首相が激怒した問題では、質問した民主党議員が拉致被害者、蓮池薫さん(58)の兄、透さん(61)の著書「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(講談社)を引用し、安倍首相に迫った。透さんは昨年12月21日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、安倍首相の拉致問題に対する姿勢について意見を語っていた。透さんの講演は次の通り。 長い時間たち「被害者の生命が心配」 私が今、一番心配しているのは、(拉致)事件が起きてから40年近くたっているのに、何も、5人が帰ってきましたけれど、状況がまったく変わっていないことが第一にあります。 それだけ長い時間がたってしまいますと、まず被害者の生命というものが非常に心配になります。それから日本国内におきましても世代交代が進みますので、この問題が忘れられてしまう、風化してしまう、そういう危険