共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で、領空侵犯した気球の撃墜を可能にするため、政府が示した武器使用の要件緩和に否定的な考えを示した。「気球の問題は話し合いによって解決させるべきだ。その努力がないまま、軍事で構えるということには賛成しかねるというのが私たちの立場だ」と述べた。 志位氏が防衛相を務めていたと想定した場合の対応に関しては、「どういう性格を持った気球なのかにもよる」と回答。その上で、外交ルートで対処について話し合っていくべきだと訴えた。 また、「いきなり軍事というやり方になると、この問題が契機になって、地域の緊張激化の一つのきっかけにしてしまうというのは、私は良くないと思っている」とも語った。
「せんだい宇宙館」の職員が望遠鏡を通しスマートフォンで撮影した中国の偵察気球に似た飛行物体=令和元年11月20日、鹿児島県薩摩川内市(同館提供) 政府が領空侵犯した気球や無人機を撃墜できるよう、自衛隊法の運用を見直し、武器使用の要件緩和を検討していることが分かった。空路の安全確保や国民の生命、財産を守るための武器使用を認める案が浮上している。現状では有人の航空機への対処を前提に、領空侵犯機の攻撃に対する正当防衛と緊急避難のための武器使用に限っているが、無人機などへの対応を念頭に要件の緩和が必要と判断した。 防衛省は14日夜、令和元年11月に鹿児島県薩摩川内(さつませんだい)市、2年6月に仙台市、3年9月に青森県八戸市の上空でそれぞれ確認された飛行物体について、中国の無人偵察用気球であると「強く推定される」と発表した。この分析を踏まえ、政府側は15日に開かれた自民党の国防部会などの合同会合で
成層圏気球 どこまでコントロールできるのか? スパイ目的かどうかの議論の前に、基本知識を知って欲しい 山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員 米国の上空を横断した中国の気球を巡って、米中の対応が加熱し、ブリンケン米国務長官の訪中が直前になって延期される事態となった。どんな理由であれ、領空に気球が入る可能性があるなら、事前の了承を取るのが礼儀だし、少なくとも前もって通告すべきだろう。だが、大西洋に抜けた直後の撃墜など、10年前では有り得なかった米国の反応も気になる。 気球が中国の主張するように気象観測目的だったのか、それとも米国の主張するように軍事目的(なかでもスパイ目的)だったかどうかは現時点(本稿執筆の2023年2月11日)では分からない。しかし、関連報道を見ると軍事・緊張視点の論評ばかりで、空気の薄い成層圏仕様の特別な気球「成層圏気球」に関する基本情報が完
米軍機が撃墜した中国偵察気球に通信監視の能力があることが分かったという/Petty Officer 1st Class Tyler Thompson/US Navy (CNN) バイデン米政権は、米戦闘機が4日に撃墜した中国の偵察気球は通信を監視できる電子機器を用いた偵察技術を備えていたと断定した。国務省高官が9日、明らかにした。 撃墜された中国の偵察気球は「信号情報の収集が可能」で、「5大陸40カ国以上」の上空を飛行してきた偵察気球群の一部だった。同高官によると、気球は中国人民解放軍(PLA)とつながりのあるメーカーと共に開発された「偵察を行うための中国の気球群の一部」だったという。 同高官は、気球の米領空内の通過に対する制裁を米国が検討していることを示唆し、「気球の米領空への侵入を支援した中国人民解放軍とつながっている中国企業に対する措置も模索するだろう」と指摘した。米領空への侵入につ
【北京=三塚聖平】米軍が中国の気球を撃墜したことを巡り、中国側は、米国の政界やメディアが気球飛来を政治問題化して「過剰反応した」との主張を強めている。 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報の胡錫進(こしゃくしん)前編集長は5日、交流サイト(SNS)で、米国の世論と政界が気球問題を「政治化」したと強調、「米国が不測の事態に対し、事実に基づいて問題を処理する能力がないことを明らかにした」と批判した。 こうした主張の背景にあるのは、米側に責任を転嫁しようとする思惑だけではない。ブリンケン米国務長官の訪中が延期されただけでなく、気球が撃墜されたことで、メンツを失った形の習近平政権としては国内向けに強い対外姿勢を見せる必要もあるようだ。 一方で、中国軍が気球を使用したり、気球の研究を進めたりしているとみられることはこれまでに伝えられていた。台湾メディアによると、昨年2月には中国軍が放ったとみられる
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