こよみの読み方(33)時刻について・付記 昨日の最後に書いた時刻について、もう少し蛇足を付けます。 基本的に日本の時刻制度は天智天皇の時代以降は「定時法」、すなわち1日を幾つかに等分した時刻体系を公式のものとしていましたが、時計のない所では便宜的に「不定時法」つまり朝から夕までと夕から次の朝までをそれぞれ等分した時刻体系が使用されていた場合もあります。そして江戸時代には逆に不定時法の方を公式に使用していました。不定時法において、その朝と夕との区切りをどこに取るかについては時代によってバリエーションがあります。幾つかあげますと ・日出・日入で切る方法(中世) ・日出36分前、日入36分後で切る方法(江戸初期) ・太陽の俯角が7度21分40秒の所で切る方法(江戸中期以降) となります。しかしこのような決め方はあくまで高度な技術をもった中核都市での運用であって、地方では大雑把な運用がなされていた