理学研究科動物学教室では、故 森主一 京都大学名誉教授が1954年11月から開始したショウジョウバエの暗黒飼育を、現在まで維持しています。今福道夫 京都大学名誉教授らの研究グループは、700~900世代と現在の1300世代のハエで、運動活動リズムを調べました。その研究成果がZoological Science(オンライン版)に掲載されます。 (論文) タイトル:Activity rhythm of Drosophila kept in complete darkness for 1300 generations(1300世代暗黒に保たれたショウジョウバエの活動リズム) 著者:今福道夫(京都大学名誉教授)・原村隆司(京都大学理学研究科リサーチフェロー) 発表雑誌:Zoological Science(日本動物学会 学会誌)28巻3号(2011年3月1日発行) 研究の概要 地球上に生活するほ
捕獲に成功した天然ウナギの卵。直径は約1.6ミリ=東京大大気海洋研究所、水産総合研究センター提供 天然のニホンウナギが海で産んだ卵が、世界で初めて日本の研究チームによって発見された。現場は、ウナギの幼生が捕獲されたことがあるマリアナ諸島沖。調査で得られたデータは、ウナギを卵から育てる「完全養殖」の実用化に役立つと期待される。 発見したのは、東京大大気海洋研究所の塚本勝巳教授や水産総合研究センターなどのチーム。1日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に報告した。 2009年5月、調査船で大型のプランクトンネットを引いたところ、ウナギとみられる複数の卵が入った。DNA鑑定で31個がニホンウナギの卵と確認された。いずれも受精卵で、直径は平均1.6ミリだった。 孵化(ふか)するまでの間、海中に卵の形で漂うのはわずか1日半とわかっている。チームは過去の調査データから、産卵
海外でミツバチの群れに大きな被害をもたらしている害虫「アカリンダニ」が、国内で初めて発見されたことが9日、わかった。 野菜や果樹の授粉に欠かせないミツバチを輸入した際に検疫をすり抜けたか、密輸によって侵入した可能性がある。 農林水産省は、実態調査に乗り出す方針だ。農水省などによると、今年1月以降、首都圏の都市近郊でミツバチが、大量死するケースが続発。 名古屋大学と畜産草地研究所(茨城県つくば市)が調べたところ、気管内に体長約0・1ミリのアカリンダニが寄生していた。このダニはウイルスを媒介し、ウイルスに侵されたハチは飛べなくなって死ぬ。
中華竜鳥の化石。電子顕微鏡で観察したところ、尾羽根の部分から赤や茶色になる色素(右上)が見つかった=英ブリストル大など提供 英ブリストル大、中国科学院などの研究チームは、白亜紀前期(約1億4500万~1億年前)の羽毛恐竜「中華竜鳥」などの羽毛を分析した結果、クリ色から赤褐色だった可能性が高いことを突き止め、27日の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。地層に埋まり、地下水などにさらされた化石しか残っていない恐竜の色を知ることはこれまで不可能とされ、色の特定は今回が初めて。 チームは、中国遼寧省の地層から見つかった「中華竜鳥」などの羽毛の化石を電子顕微鏡で観察し、微細な構造を解析したところ、鳥類も持つメラニン色素を含む細胞「黒色素胞」が羽毛表面にあることが分かった。中華竜鳥の尾羽根や背中の羽毛には赤や茶色、黄色を発色するメラニン色素「フェオメラニン」だけが存在したことから、羽毛はクリ色から
働きアリを「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」に分けて、それぞれの集団(コロニー)を作り直しても、一定の割合で「働き者」「怠け者」に分かれることが北海道大学の長谷川英祐(えいすけ)准教授(進化生物学)らの研究でわかった。 誰も働かなくなる時間を減らし、安定した労働力を保つ集団維持の戦略と見られる。茨城県つくば市で開かれている日本動物行動学会で28日発表された。 長谷川さんらは、日本全国にいる「シワクシケアリ」の八つの集団に、1匹ずつ印をつけて幼虫の世話、巣の修復など集団に貢献する「仕事」をどのくらいこなしたか、1か月間行動を観察。そのうち「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」を取り出して、それぞれの集団を作り直した。その結果、どちらも元の集団同様「よく働くアリ」「ほとんど働かないアリ」に、ほぼ同じ割合で分かれた。 働きアリもある程度働くと疲れて休息するが、「働かないアリ」がいるほうが
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「たった1種の細菌からなる生態系」、地下約3.2kmの水中で発見 2008年10月15日 サイエンス・テクノロジー コメント: トラックバック (0) Alexis Madrigal ムポネン金鉱山のトンネル内部 Courtesy Anglo Gold 南アフリカにある鉱山の地中、熱く暗い水[リリースによると、摂氏60度]の中、世界で最も孤独な生物種が発見された。 これまでに生物学者が調査の手を伸ばした地球上の場所では、例外なく生物たちが共同体を構築していた。ところがこのほど、1種の細菌のみで構成される生態系が見つかったことが、9日(米国時間)に発表された。 他のあらゆる既知の生態系では、生命の主要な機能――エネルギーや炭素、窒素といった元素を環境から取り込むこと――は、さまざまな種の生物によって分担されている。しかし、ムポネン金鉱山の地下約3.2キロメートルの水中では、Desulforu
現在、地球上で発見された生物は大きく3つのグループに分類されている。 生物学では生物種のもっとも大きな区切りのことを「ドメイン(超界):Wiki」と呼ぶので、これ以降私もそれに習う。 ・まず1つ目のドメインは我々人間も属する「真核生物:Wiki」のグループ。 このグループは動物界、植物界、菌界、原生生物界の4つのグループにさらに分かれる。 このグループの特徴は、核と呼ばれるDNAを収納する構造を細胞内に持っていることである。 ・2つ目のドメインは大腸菌などの原核生物が属する「真性細菌:Wiki」というグループ。 このグループは真核生物とは違いDNAを包む核を持たない。 ・3つ目のグループは20年ほど前に発見された「古細菌(始原菌):Wiki」と呼ばれるグループ。 このグループも真性細菌と同じ原核生物だが、生化学的な性質が大きく違い、100度を超える温泉や強酸性の湖などの極端な環境からの単離
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