文字文化の成熟と多様さをあらわす、文字どおりの「活字書体集成」 書評『基本日本語活字見本集成』 ── 前田年昭 ── 投稿:2007年05月08日 著者:デジクリトーク(ゲスト) 重い! というのがとにもかくにも本書の第一印象である。宅急便で送るときには重さ2kg、三辺長さ計60cmまでという基本料金の制限ギリギリであるから梱包材にはよくよく気を付ける必要がある。それほどまでに重く、A4変形判で640ページある。 ページを開くとなぜ重いかがわかる。百花繚乱! 日本語OpenTypeフォント18社1650書体が収録されているからである。しかも活版や写植、初期DTPの1行見本ではなく本文に組んだ状態での「活字・組み見本」470ページには圧倒される。解説として付された、小宮山博史さんによる「日本語書体の分類(書体開発の変遷 含む)」、小形克弘さんと直井靖さんによる「デジタル活字の基礎知識(直井
豊かな日本語組版のための見本帳決定版。640ページの大ボリュームで日本語 OpenTypeフォント18社1650書体を収録。本邦初の書体分類試案にもとづく多彩 な組見本で掲載。丁寧で詳細な技術・用語解説も完備。すべてのデザイナー、 編集者、出版関係者必携の綜合見本帳です。 ……という本。とにかく大きい、厚い、重い。225(横)×296(縦)×34(厚さ)、640ページ、一部2色刷り、ソフトカバー、重量約1900グラム。電話帳かい? と言いたくなるボリュームである。この本、わたしも編集に参加したから内輪誉めっぽくなるが、ちょっと内容を紹介したい。 さて、640ページの約8割が活字の見本集である。それならこういうやり方が考えられる。デザインの仕様を設けて、メーカーに仕様通りに組んでもらう。さらにアウトラインデータ化してもらい、それをネットで送ってもらう。編集はそのデータを、スタイル別、メーカー
3月9日のエントリでも書いたように、下記の本に20ページほど原稿を書きました。 アイデア5月号別冊『基本日本語活字見本集成本OpenType版』 誠文堂新光社 A4判 全640ページ 4,410円(税込) ぼくの手元には今週はじめに届いており、ネットで買えるようになったらブログで紹介しようと思っていたのですが、いまだに「そんな本はない」と言われます。でもこの数日で本屋さんの店頭には並んでいるようですね。このご時世にネット書店を無視するとは、なかなかいい度胸です。 それはともかく、自分としてはここ数年の仕事の集大成のようなつもりで書きました。3センチを超す厚さとこの定価では、おいそれと買ってくださいとは言えませんが、これから何回かに分けて、書こうと思ったこと、そして力及ばず書けなかったことを誌しておこうと思います。レジに持っていかないまでも本屋さんで見かけたら、ぜひ手にとってみてください。ま
昨日書き終わってから気づいたんですが、版元のサイトでもようやく紹介が始まったようですね。 基本日本語活字見本集成本 ぼくの名前が誤植だったりするのはご愛敬。ついでながら本の目次も間違っているという(さすがに記事では合っている)。それはさておき、この原稿を書くにあたっては、安岡孝一さんの以下の本を参考にさせていただきました。 文字符号の歴史(欧米と日本編) [ 安岡孝一 ] ジャンル: 本・雑誌・コミック > PC・システム開発 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 6,480円 兄弟編にあたる『文字符号の歴史 アジア編』と合わせ、史実としての文字コードを語りたければ抜きにできない、記念碑的な文献と思います。ぼくは読み始めるなり、註のところに赤線を引っぱりはじめました。後に続く者として参照すべき未見の記録や文献を山のように引いてくれており、「こんな貴重な情報を惜しげもなく出してくれて、な
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