YOMIURI PC 編集部『パソコンは日本語をどう変えたか』(講談社ブルーバックス)を読んだ。 六十年代頃からコンピュータが国内に普及し始めたが、初めはアルファベットや記号しか扱えなかった。日本語をキーボードから入力し、プリンタで印刷したい。そんな要望に応えようとした技術者達の工夫と努力が綴られている。 かな漢字変換技術の変遷、フォント制作現場の舞台裏、コンピュータが日本語に与えた影響など多種多様な話題が紹介されていて面白かった。 私は入社十年にも満たない一プログラマに過ぎない。けれど、むかし苦労したことが読み進めるほどに思いだされて、考え込んでしまった。 ある商用サイトの保守をしていて、エンドユーザから文字化けを指摘されたことがあった。調べてみると、ユーザが入力したのは機種依存文字だった。機種依存文字とは、OSなど環境の違いで表示が異なってしまう文字を指す。例えば Windowsの丸数