京都市左京区の路上で平成19年、京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん=当時(20)=が刺殺された事件は、未解決のまま15日で発生から10年となる。千葉さんの知人ら有志は、事件概要を伝える漫画冊子を作り、情報提供を呼びかけてきた。新しい情報が得られるたびに内容を更新してきたが、年月の経過とともに難しくなりつつある。それでも風化を防ぐため、今年も冊子を配る。 「1月15日は毎年巡ってくるが、時間は10年前で止まったままだ」。千葉さんを指導した同大学の男性教授(55)は無念さをにじませる。学生食堂で漫画談議を繰り広げたことが思い出深く、「漫画へのひたむきな思いが印象的だった」としのぶ。 事件から半年後の19年6月ごろから、千葉さんの友人らとともに、事件のあらましや千葉さんの人柄、犯人像を伝える漫画冊子の作成を開始。「千葉さんが大好きだった漫画の力で事件を解決したい」との思いからだった。 漫画家